【ロサンゼルス25日】卒業生総代のスピーチ中止をめぐる論争や親パレスチナ派デモで渦中のUSC(南カリフォルニア大学)は25日、5月10日に予定されていた卒業式を「新たな安全対策に伴い」中止すると発表した。
これら2024年度の卒業生の多くが2020年に高校を卒業しており、コロナパンデミックで従来の高校卒業式も中止になった世代。
USC側は先週、バイオメディカル・エンジニアリング専攻で卒業生総代に選ばれていたアスナ・タバサムさんのスピーチを禁止すると発表。タバサムさんが反ユダヤ主義的、反シオニスト的なレトリックを助長するリンクや見解をソーシャルメディアに投稿していたことが理由とされる。
これを受けて、USC内の50以上の学生団体らが大学側の決定に反対する署名を集め、タバサムさんのスピーチ実施を要求。Change.orgの嘆願書には4,000近くの署名が集まっている。
その後、USC校内では親パレスチナ派の抗議デモが行われ、24日には、ロサンゼルス市警によるデモ解散の命令に従わなかった学生ら約100人が逮捕された。
USC側は声明で、今年導入の新たな安全対策に伴い、約65,000人が集まる卒業式を安全に開催することが困難になったと説明。学校関係者によると、4月30日までに別の形での卒業式に関する計画の詳細を発表し、USCの卒業式ウェブサイトで公開する予定だという。現時点では、「有意義で思い出に残るUSCらしい、新しいアクティビティやセレブレーションを開催する」としている。