『完全復活』次回作へ意欲

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井村英俊 Hidetoshi Imura 

俳優

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■映画ではヤクザの幹部からおかしなサラリーマンまで、シリアスやコメディ問わず様々な作品で役作りに徹してきた井村さん。病からの完全復活。次回作へ意欲をみせる。https://www.instagram.com/hidetoshiimura/

 無神経な上司によって振り回されるオフィスの日常をシニカルに描いたドキュメンタリータッチのコメディドラマ『The Office(ジ・オフィス)』(NBC)。イギリス版が最初で、アメリカ版はスティーブ・カレルが主演、世界的ヒットとなったロングランシリーズだ。この番組にシーズン6から準レギュラーとして出演した俳優の井村英俊さん。「実はこのドラマのシーズン1からずっとエキストラで撮影に参加していたんです。ところが僕はのん気な性格で、そのエキストラの仕事が何の番組なのかも、人気のあるドラマとも露知らず撮影現場に行っていたわけです」。そんなある日、倉庫ワーカーの役のオファーがやって来た。「セリフはたったひと言。『We use the lift for everything』(僕らはいつもリフトを使っているよ。)ひと言なのに、ガチガチに緊張してうまく言えなくて。何度やってもNGになる始末。逆にそれが現場の人たちにどっかーんとウケて、役に採用されたんです」。シリーズが終了した現在も『ジ・オフィス』ファンイベントが開催され、毎回大盛況。Hide役の井村さんのブースにも大勢の根強いファンたちがサインや握手を求めて詰めかける。「ここ最近はポストカードにサインやイラストを描いて世界中のファンの皆さんに送っています。再放送を観てくれた子供から大人まで、世界の人たちと繋がることができるのが嬉しいですね」

■『ジ・オフィス』でのワンシーン。「In Japan, heart surgeon. Number one. Steady hand.」ファンにはたまらない有名なセリフ。

 大阪出身、実家は大手スポーツ用品店の特約店を経営し手広く商売をしていた。親の仕事を継いだが続かず、「これじゃあかん」自分を変えたいと1992年に渡米。「結婚して子育てしながら、いろんなところで働くものの長続きしない。そんな生活を続けていた15年ほど前、知り合いに短編映画のエキストラをやってみないかと誘われたんです。撮影現場に行くとそこには大勢の日本人がいました。役者になりたい人がこんなにいるのか!と刺激を受けて、せっかくエンターテイメントの街LAにいるんだからやってみようと思ったのが始まりです」

 以来、映画ではヤクザの幹部からおかしなサラリーマンまで、シリアスやコメディ問わず様々な作品で役作りに徹してきた井村さん。コロナ禍の2021年には、職場で倒れ病院に搬送、一時危篤状態に陥り、心臓のバイパス手術により命をとりとめた。「家族、友達、ファンの皆さん、本当にたくさんの方々に支えてもらって、今こうやって元気にまた役者として作品に向かうことができます。病気から復活して初の映画出演となる次回作のテーマは『愛』。家族の愛とは何なのか。友情とは?人間の愛とは・・・。一番大切なのは愛。愛をもってこそ、大切な人にも夢や勇気、希望を与えられる。本当の愛を知った今の自分だからこそ、芝居を通じてそれを伝えられるはず」。

■『ジ・オフィス』ファンイベントにて。動画サービス「cameo」でもファンに向けてメッセージを配信。

(4/10/2024)

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