電動スクーターの「Bird」が破産申請 事故や苦情多発、株価は半年で90%超下落(12/21)

【ロサンゼルス20日】かつて市場評価額が25億ドルともいわれた電動スクーター・メーカー「Bird Global社」が20日、破産法の適用を申請した。

 マイアミに本社を置く同社は、フロリダ州南部地区連邦破産裁判所に連邦破産法第11条の適用を申請した。「Bird Global社」は債権者と再建協定を結んでおり、破産時に資産を売却することも協定内容に含まれていると20日の声明で発表した。

 「Apollo Global Management」と第二先取特権レンダーは、「Bird Global社」が再建中に事業を継続できるよう、2,500万ドルの融資を行っている。

 2017年に設立され、「Sequoia Capital」や「Accel Partners」を含むシリコンバレーの投資家に支援された「Bird Global社」の事業は急速に成長し、同社は特別目的買収会社(SPAC)を通じて2021年に上場した。

 ハイリターンを見込める稀有なベンチャー企業を指したウォール街の「ユニコーン企業」として、「Bird Global社」は一時25億ドルの市場評価額を誇っていたが、同社の株価は半年で90%以上下落し、損失が積み重なった。

 「Bird Global社」は2年以上にわたり収益を過大に計上していたことを認め、9月にニューヨーク証券取引所の上場を廃止した。創業者であるトラビス・バンダーザンデン氏は6月に会社を去っている。投資家に対して1年前、資金注入がなければ継続できないかもしれないと警告していた。

 「Bird Global社」は、350以上の都市で短期スクーターレンタル事業を展開している。カナダとヨーロッパの部門は今回の手続きには含まれておらず、影響はないと同社はリリースで述べている。

 環境に優しく楽しい移動手段であった電動スクーターだが、救急病院からの報告によると、この製品に関連した負傷者が急増し、当初の人気を失った。さらに、歩行者からの苦情や安全上の懸念から、サンフランシスコやニューヨークなどの都市がeスクーターの使用を禁止または制限するようになった。パリでは今年初め、歩道や公園でのeスクーターの乗り捨てが悪化したためにレンタルが禁止された。

※画像:https://www.bird.co/citie

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