s.
KANACO
ビューティーサロンオーナー・エステティシャン
.
.
爽やかな陽の光が降り注ぐサロン内に入ると、オーナーのKANACOさんやスタッフの皆さんが明るい笑顔で出迎えてくれる。ここは2017年にトーランスにオープンしたビューティーサロン「サロン・デ・キレイ(Salon de Kirei)」。日本製のジェルを使ったジェルネイルのほか、エクステンションなどのアイラッシュサービス、フェイシャルエステを提供している。ロサンゼルスローカルの人々はもとより遠方から足しげく通う顧客も多数。
「ニューヨーク在住のキャビンアテンダントのお客様は、LAへのフライトのタイミングでご予約いただくことも。私たちが提供するサービスは、ただキレイになればいいというのではなく、美容と健康の両方を兼ね備えていることが大事。ネイルでもマツエクでも、いかに自然で健康な状態を保ちつつ、美しさを持続できるか。技術や使用する製品にこだわり、より丁寧に手間をかけ、心のこもったサービスをお届けしたいと思っております」。日本人だからこその細やかなサービスとおもてなし。この極上のひとときさえあれば、たとえ長時間フライトの仕事終わりでも、疲れも癒えて体の奥底から美しさが蘇ってくるというものだ。
ビジネスオーナーでエステティシャンであり、4人の子供のママでもある。結婚して15年前に家族で渡米しLAへ。子育てをしながら、アメリカで一から美容スペシャリストとしてスタートするためカレッジに通い、カリフォルニア州の美容ライセンスとエステティシャンライセンスの両方を取得。また、その途中では離婚と再婚も経験した。
「夜明け前に起きて、子供たちのお弁当を作る前の時間や、子供たちが学校に行っている間のスキマ時間を使って必死に勉強しました。渡米当初はまったくといっていいほど英語もわからなかったので、専門用語も薬品の名前もテキストブックをすべて丸暗記して、なんとか資格を取得。サロンをオープンした時、一番下の子がちょうど幼稚園に入った頃でした。当時はとにかく時間が足りなくて・・・。でも私けっこう忘れっぽくて、どうやって仕事と家庭を回していたのかあまり覚えていないんです(笑)」。壮絶だったろう時期を振り返りながら、ケロリと楽観的な様子をみせる。
コロナ後はサロンの家賃をやっと払えるほどだったが、「『嘘のない真のサービス』を提供することで、きっと皆さんに戻ってきていただけると信じていました」と話す。
話しているとこちらもつられて笑顔になる彼女のエネルギーの源はふたつ。「第一は、お客様に喜んで笑顔で帰っていただける時。もう一つは、すごく忙しかった日の終わりに、スタッフのみんなと一緒にお店を出て『おつかれさま』を言って帰る時。私にとって、みんなと働けてよかったと思う幸せな時間です」。
(9/19/2023)
.
.
.
.