やっぱり富士山はいいよな

 週に1~2度鎌倉に帰る。とはいえ仕事の都合上、帰宅時間は暗くなってからになるが、この日は嬉しいことに夕方戻ることが出来た。夏は日の入りが遅いのもあり丁度夕景の富士山に遭遇!夕日に映し出された富士の綺麗な事…。しばし時を忘れて眺めていた。俗っぽい言い方だけど、仕事のしんどさを忘れさせてくれる。「やっぱり富士山っていいな」と改めて感じさせてくれる。

 こんな感情恐らく私だけではないはず。皆さん富士山を見たら感じるのでは。新幹線の車窓で目の前に突然富士山が現れた時、海外から戻ってくる機内から雲の間に雪化粧の富士を見つけた時、美しさに息を吞む感動を覚えませんか。きっと現代に生きる私達だけでは無く、日本誕生以来それぞれの時代の人々が体感してきた事ではないでしょうか。

 そう考えると富士山偉過ぎます。長年に渡り私達を癒してくれているのに、富士山は見返りを求めない。わがままも言わない。(時には怒って噴火するが。)それにもかかわらず人間は登山中にゴミを散らかしたりトイレも綺麗に使わないなどのマナー違反を繰り返す。さすがに近年は5合目より先に立ち入る場合は「富士山保全協力金」として1000円を徴収している。(7月1日~9月10日)これによって富士山も綺麗になってくれるなら大賛成だ。個人的には2000円でも良いと思っている。

 考えてみれば私は有難い所に住んでいる。鎌倉に引っ越して来たのは40年程前。七里ガ浜の山側に住んでいるのだが、当時バブルが丁度終わった頃で不動産も値落ちしていたので買えたが…。最近近所に建設中の建売住宅に「分譲価格1億8800万円(69.5坪)」のポスターが貼られていた。この値段、近頃の都心の不動産高騰を考えると判らないでもないが、最寄り駅からも離れているので毎日都心まで通勤するのは相当大変なのではと他人事ながら心配してしまう。

 恐らく数か月で新しい入住者は決まるだろう。最近の販売傾向として、若い夫婦と子供一人の家族構成になるのでは。いつも「こんなに若いのによく買えるな~」と驚くばかり。ともあれ新しいファミリーがこの街に来てくれるのは大歓迎! この街から見える富士山の素晴らしさ、四季で変わる海の表情、台風の怖さ、都会では見ることのない足の長い蜘蛛、大きなヤモリ、凶暴なトンビ、庭先の鶯、でかい蜂、尻尾の長いリスや狸など鎌倉ならではの体感を! 持ち家は無理でもアパートなどの賃貸物件は有難いことに都心より格段にリーズナブル。特にお勧めは稲村ケ崎、極楽寺辺り。如何ですか鎌倉暮らしは。

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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