「IBMは在宅勤務費用を負担すべき」と控訴裁判決 コロナ禍の訴え、下級裁判断を覆す結果に(7/17)

【ロサンゼルス15日】カリフォルニア州第一地方控訴裁は11日、コロナパンデミック中に従業員が負担した在宅勤務費用が適切に払い戻されなかったとして、IBMの従業員数千人が会社を相手取り起こした集団訴訟で、IBM側にそれらの負担に応じるよう命じる判決を3対0で下した。昨年の下級裁判所の判決を覆す判決となり、現在起きている同様の訴訟に影響を及ぼすのは必至だ。

 IBM側の弁護士のコメントはまだ出ていないが、IBMは今後、この判決に異議を唱えてカリフォルニア州最高裁判所に訴訟を提起する可能性もある。 

 この訴訟は、2020年3月にカリフォルニア州のニューサム知事が、ほとんどの職場を閉鎖し自宅待機するよう求めた公衆衛生命令を出した後に、IBMの元社員であるポール・タイさんらが起こした。訴えによると、タイさんは在宅勤務の間、私財を投じて仕事をこなしていたといい、「インターネットアクセス、電話サービス、電話のヘッドセット、コンピューターとその付属品など、自費で準備した」と説明している。

 訴訟は最初、従業員がその職務を遂行するために直接投じた費用を雇用主が労働者に払い戻すことを義務づける州労働法の規定を引用し、2020年12月に起こされた。2022年春の裁判では「2020年の知事命令が特定の在宅勤務経費の原因」と訴えたIBMを支持する判決が下されが、控訴裁判事は「そのような経費を払い戻し義務から除外するような文言は法定にはない」と説明した。

 IBMと同様に、オラクルやバンク・オブ・アメリカなど、在宅勤務の払い戻しで訴えられている会社は数十社にのぼっている。 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。