【ロサンゼルス21日】ロサンゼルス郡地方検事局は21日、ワッツにある高校「Jordan High School」に隣接する金属リサイクル工場「S&W Atlas Iron & Metal Co. 」を危険廃棄物の不法投棄など24件の容疑で刑事告発した。
「Jordan High School」は1923年に開校し、「S&W Atlas Iron & Metal Co. 」は1943年以来、その隣で操業してきた。
同校のキャンパスで告発について発表する会見を開いたガスコン検事は、「同校に通う500人以上の若者は、隣で操業するS&W Atlas Iron & Metal Co. が放出する、鉛やクロムなど人体に有害な物質を含む粉じんを日常的に吸い込んでいる」とリサイクル工場側を非難した。
同校の生徒からは、リサイクル工場から出る騒音や悪臭への苦情が出ていた。
「S&W Atlas Iron & Metal Co. 」と所有者のゲーリーとマシュー・ワイゼンバーグ夫妻は、無許可で危険廃棄物を故意に廃棄したという21件の重罪と、危険廃棄物を堆積した重罪1件で起訴された。また、火災の可能性を最小限にするための施設の維持・運営を怠ったとして、公共の迷惑行為と軽犯罪1件でも起訴された。
ロサンゼルス統一学校区は2020年、「S&W Atlas Iron & Metal Co. 」を相手取り、「Jordan High School」への有害物質の放出を中止するよう求める訴訟を起こしている。この訴訟では、2002年に同工場で起きた2回の爆発事故についても詳述しており、ロサンゼルス郡地方検事局も同工場を提訴。昨年夏、同検事局の捜査課が逮捕状を出した。
検事局によると、同校で採取された土壌サンプルは「鉛と亜鉛の過剰濃度を示し」、工場で採取されたサンプルは7種類の金属の過剰濃度を示した。
被告側の罪状認否が26日にロサンゼルス・ダウンタウンで行われる予定となっている。
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