「僕はもう音楽をやっていないと生きていけない」ー混沌とした10年を経て、YOSHIKIが奏でる音楽と彼の生き様が世界を照らす一筋の光となるー

Yoshiki Classical 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 “REQUIEM”

2013年にリリースされたアルバム「Yoshiki Classical」は世界10カ国のiTunesクラシックチャートで1位を獲得。それから10年。近年では世界中で未曾有のパンデミックが起こり、世界は今まで以上に不穏な社会へと進んでいるように感じる。YOSHIKIの私生活においても首の手術や後遺症にも苦しんだ決して順風満帆な10年ではなかっただろう。そんな10年を経て、新曲「Requiem」をタイトルに掲げたワールドツアーが10月から始まる。希望が見えづらい”今”、なぜ挑戦を続けるのか、今の心境と共に聞いた。

作曲家、ピアニスト、ロックドラマーであり、ロックグループ「X JAPAN」と「THE LAST ROCKSTARS」のリーダーである。米Consequence誌で「日本の歴史上最も影響力のあるミュージシャン、作曲家の一人」に選ばれ、米ビルボードでは「音楽の革新者」と評される。天皇陛下御即位十年記念式典の奉祝曲、愛知万博公式イメージソング、ハリウッド映画のテーマソング、そして世界最高峰の米ゴールデングローブ賞の公式テーマソングを作曲など、ワールドワイドなプロジェクトを行っている。音楽活動だけでなく、着物ブランド「YOSHIKIMONO」のデザイナーとして、また日本人男性として初めて「VOGUE JAPAN」の表紙を飾るなど、ファッションアイコンとしても活躍。また、非営利公益団体であるYoshiki Foundation Americaの創設者でもあり、長年にわたり慈善活動に取り組んでいる。

YOSHIKI オフィシャルサイト:https://www.yoshiki.net/
YOSHIKI YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/yoshikiofficial
YOSHIKI オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/yoshikiofficial/
YOSHIKI オフィシャルTwitter:https://twitter.com/YoshikiOfficial

「母に世界で活躍する姿を見てもらいたい」
プレッシャーを感じならも歩みを止めない理由

―まずは「Yoshiki Classical」発売10周年、おめでとうございます。

ありがとうございます。

―10周年を記念したワールドツアー”REQUIEM”では、歴史的な会場でヘッドライナーを務められます。開催は10月からですが、今の心境はいかがですか?

過去にも海外での公演はやってきていますが、今回のツアーは、プレッシャーを感じています。

―そうなんですね!意外です。数々の大舞台を経験されてきているYOHSIKIさんですが、なぜ今回はプレッシャーを感じているのでしょう?

今回のツアータイトルは新曲の「Requiem」から取りました。僕はずっとロサンゼルスに住んでハリウッドという業界の中で「世界を掴もう!」と頑張っていたので、意外に母と一緒に過ごせる時間はほとんどなかったんです。そんな中、去年の5月に母が旅立ってしまい、「僕の人生って何だったんだろう」と考えてしまって、あまり前に進めなくなってしまいそうな自分がいました。

―お母様を亡くされたときのツイートやご様子をテレビで拝見させていただいて、YOSHIKIさんが悲しみに暮れている姿に心を痛めたことを思い出します。

同時期にツアーの話をいただき、「どうすればいいんだろう?」ってすごく悩みました。でも、こうやって立ち止まったままでも、きっと母は喜んでくれないんだろうと思い、挑戦を続けることを決めました。決断するのに時間はかかりましたが、アメリカのエージェントからも「これだけのコンサートホールからオファーをいただいているんだから」って言われて、「そうだよね、じゃ挑戦してみる」って。そういったいろんな意味でプレッシャーを感じています。

―では、お母様と一緒にツアーを回られる、そんな感覚もおありなのでしょうか?

そうですね。東京ドームで公演をしたときは母も来てくれましたが、日本でも海外でもどこでコンサートをやっても、母にとって僕はやっぱりただの子供で。あまりすごいことをやっている感じではなかったですね(笑)「ご飯食べた?」って聞かれたり。そうは言っても、いつかは世界で活躍する姿を見てもらいたいと思って頑張ってきたので、それをまだ続けたいなっていうことなのかもしれないです。

―新曲の「Requiem」を聴かせていただきました。人生の不条理を感じつつも、不思議と心が落ち着くメロディで。ただ嘆くだけでもなく、かといって全部を受け止めて前に進もう!という無責任な明るさもないところがリアルで心に響きました。

ありがとうございます。今回のツアーでは、もちろんX JAPANのヒット曲のクラシックバージョンやクラシカルな作曲家の曲も演奏しますが、この曲をツアータイトルにしたくらい自分の中では重要な曲です。

―どんな思いを込めて制作されましたか?

たしかに導入部分は暗い悲しい雰囲気がありますが、後半は光が射してくるようなイメージを持ちながら自分を救うために作りました。母が亡くなったときに本当に涙が止まらない日々が続いたのが、この曲を作曲し始めたら涙がエネルギーに変わっていきました。自分を救うことができるんだったら、ファンの人たちを含めて世の中の人たちにも希望を与える曲になるんだと思い始め、完成させようと制作を進めました。今も完成させる過程なんですけど、今回のコンサートで披露する際にはオーケストラと壮大な演奏になると思います。

―大勢の方がYOSHIKIさんの音楽に救われていると思います。このツアーは特にどんな時間にしたいですか?

最高の美しい音楽を皆さんに届けたいですし、僕の人生観を伝えることによって刺激を与えたいと思います。人がどうして生きている、どうして夢に向かって生きられるのか。もちろん僕もいつもギリギリのところにいるけれど、そういったインスピレーションを皆さんに与えることができるコンサートになればと思います。映像や照明もいろいろ準備しているので、壮大なステージになることを期待していてください。

音楽があるから生きてこられた

―スペシャルな情報をありがとうございます!とても楽しみです。先ほどお話にあったように、ご自身を救うために音楽を作られたとありますが、ご自身の悲しみまでも音楽制作に昇華させることができる理由は一体どこにあるんですか?

逆に言うと、僕はもう音楽をやっていないと生きていけないんだなっていうのは今回母が亡くなってさらに実感しました。音楽があったから生きてこられたんだなって。X JAPANで激しいドラムをやっていますが、元々は喘息で入院を繰り返すような体が弱い子でした。そんな僕が、まさかアメリカに来て異国の地でいろいろするとは夢にも思っていませんでしたね。それも音楽をやっているから挑戦できているんだと思います。自分を救うために作った曲でみんなが自分の人生を救われたとかって言われた瞬間は「生きてて良かった」と思える瞬間でもあります。その繰り返しで今まで頑張れているんでしょうね。

―挑戦をやめないYOSHIKIさんですが、ご自身の活動は誰をターゲットにしているなどの意識はありますか?例えばYOSHIKIさんと同世代の方に「俺も頑張っているからお前も頑張れ」っていう感じなのか、それとももっと若者世代に目を向けられていますか?

ターゲットっていうのは、基本的には無いかな……。それは人種も含めて。僕ね、本当にLAに来て長いんですけど、常に思うのは「美しいものを美しいと思う感覚や感動」は人種や年齢なんて関係ないと思う。もちろん同世代の方にも届けばと思っています。けれど、僕はGeneration Zのみんなにもぜひ来ていただきたいです。僕は音楽ジャンルに関してジャンルレスで、ヒップホップもEDMもクラシックもロックも聴く中で、GenZの方達ってすごく多様性がありますよね。そのエネルギーに惹かれています。

努力は必ず実る。苦しみながら努力を続けている、僕もその一人です。

―私事で恐縮なんですけど、実は先月5月からアメリカに来て働き出したばかりなんです。

先月!?

―まだ1ヶ月しか経っていないんですが、心が折れる出来事ばっかりでして。YOSHIKIさんは英語も堪能でストラグルを感じることも少ないと思いますが、海外で働くことの意義や面白さ、マインドセットなどをぜひ教えていただきたいです。

ちなみに出身はどちらなんですか?

―三重県のど田舎から出て来ました。

東京に行ったときとかもね、いろいろあったと思うし。特に日本から海外に来るっていうと、今まで常識だと思っていたことがこっちでは常識じゃなかったりとかね。言葉の問題は英語を勉強すればいくらでも解決できるでしょうけど。僕も何年も何年も挫折して「だめ、もう帰りたい」って思った時は100回以上ありますよ。「お母さん、俺もう日本に帰りたいよ。もうここにいたくないよ」って。

―YOSHIKIさんでも、そう感じたときがあったんですね……。

でもね、頑張れば頑張るだけちゃんと返ってくるから。“アメリカンドリーム”って言葉があるように、自分の努力は必ず実るって僕はいつも信じています。実際に実っているしね。ただ、努力が実る時期は、ひょっとしたらすぐじゃないかもしれない。5年後かもしれないし、10年後かもしれないんだけど、必ず実るから。だから今やっている挑戦は苦しいこともたくさんあるだろうけど、絶対自分に戻ってきます。

―その言葉を信じて頑張ります。

僕自身もね、そんなこと言いながら、もう限界みたいな日々を毎日、毎週繰り返している。やっぱり日本ってすごく住みやすい国だし、食べ物も美味しいし、比較的安全だし。でも、そういう国に帰ることは、いつでもっていう言い方は変だけどできると思います。だから、挑戦できるうちに、アメリカに来て働いていることは素晴らしいと思うよ。決して楽じゃないと思う。でも得るものはたくさんあると思う。これって、LAに住んでいる日本の方みんなに言えるんじゃないかな。

―本当にその通りだと思います。

苦労していない人なんていないよね。みんな、大小はあれどいろんな壁にぶち当たったり、悲しいことを経験したりしながら頑張っているんだと思います。僕もその一人です。

10月、ロサンゼルスでYOSHIKIの生き様が注ぎ込まれた音楽が私たちの希望の光となる

―最後にららら読者に向けてメッセージをお願いいたします。

いろんな国でコンサートしてきましたが、ロサンゼルス公演って意外に少ないんですよね。以前、X JAPANでウィルターン・シアターで、僕はRenee and Henry Segerstrom Concert Hallで、最近ではTHE LAST ROCKSTARSでハリウッド公演をしたくらいかな。今回はドルビー・シアターですね。アカデミー賞の会場で、以前にサラ・ブライトマンのゲストで出たことはあるんですけど今回はヘッドライナーとして出演させていただきます。僕はロサンゼルス在住。皆さんと同じところに住んでいるご近所さんです。ステージも壮大なものになる予定なので楽しみにしていただきたいのはもちろん、僕の生きざまを皆さんに感じ取ってもらって、少しでも力になれるようなコンサートにしたいです。LAに来て苦しかったこととか、まだ戦って葛藤していることとかも含めて、それを音楽にして奏でます。ぜひ皆さん足を運んでいただけると嬉しいです。

―この度は貴重なお時間をありがとうございます。余談ですが、私の母がYOSHIKIさんデザインのクレジットカードを愛用していまして・・・。私にとっては、お札にのっている偉大な方にインタビューするような感覚でとても緊張しました。

こちらこそ、ありがとうございました。お母さんにもよろしくお伝えください(笑)。

【Yoshiki Classical 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 “REQUIEM”】

10月にTokyo Garden Theater(東京)、Royal Albert Hall(ロンドン)、Dolby Theater (LA)、Carnegie Hall (NY)で行われるオーケストラとのクラシックコンサートにヘッドライナーとして出演。日本のアーティストがこれらの歴史的な場所すべてでヘッドライナーを務める初めてのケースとなる。昨年5月に最愛の母を亡くし、その際に応援してくれたファンに感謝を伝えたいという思いがツアー敢行のきっかけとなる。また、「Yoshiki Classical」の発売10周年を記念したコンサートでもある。コンサートでは、新曲、X JAPANのヒット曲のオーケストラ演奏、ベートーベン、ショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフなどのクラシック作曲家の作品を披露し、特別なゲストパフォーマーも今後発表される予定だ。ワールドツアーに先駆け、YOSHIKIは最新シングル「Requiem」を近日発売予定、X JAPANとしては8年ぶりとなるシングル「Angel」を7月28日に発売予定。

Yoshiki Classical 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 “REQUIEM”オフィシャルサイト:https://www.yoshiki.net/worldtour2023

チケットはこちらから:https://l-tike.com/yoshiki-classical/

.

.

.

.

「「僕はもう音楽をやっていないと生きていけない」ー混沌とした10年を経て、YOSHIKIが奏でる音楽と彼の生き様が世界を照らす一筋の光となるー」への3件のフィードバック

  1. 一見 壊れてしまいそうな儚さを感じさせる。でも、その内には消えない炎が燃えたぎっていて、熱い情熱のかたまりを持ち合わせている感覚。
    どんな風雨にさらされてもしなだれて耐え抜いている、柳のような強さ。目に見えない多くのご苦労、困難を通過されながら生まれてきたように思える作品。
    文明の発達により何事も速さ、便利さ が当たり前になってきた現代。しかし、努力すること。忍耐すること等 人間として成長する道に近道はないと思う。
    どんな立場でも。
    特にこれから日本を背負っていくZ世代の皆さんにYOSHIKIさんの生きざま、縦軸を感じてもらいたいと思いました。
    人としての生き方の部分に感動しました。努力は必ず報われる。ですね。
    ありがとうございました。

  2. けたちがいの、壮大な、お仕事と、おもいます。緊張も、あるだろうし、あのね。テレビでだけど、ひとの、おわかれとかの。心の、痛みは、5年、くらい、ときを要する、って、お医者さんが、いってたくらいだから。だから、日ぐすり。無理をなさらないよう、精一杯、したいことを、と、おもいます。

  3. 私、20年の間に、父 母 兄を見送りました。何時でも泣ける状態で長く暮らしていましたが、何時も私の側には YOSHIKIさんの曲が寄り添ってくれました。10 年後15年後 自然に泣かなくなりました。大切な人を亡くすことは己れの身を引き裂くが如く辛かったけど YOSHIKIさんの曲が癒やしてくれたから今の私がいます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。