新型コロナウイルスが世界中に恐怖を撒き散らし始めた2020年初頭から、感染症専門家(白鳳大学教授/医学博士)としてテレビに出演し始め、いかにコロナ感染が怖いものかを、連日説法鋭き、ある時は政府と、ある時は医療関係者と、分科会の尾身会長とも捨て身のバトルトークをし、その迫力ある語り口調で一躍全国的知名度となった。人呼んで『コロナの女王』!
岡田先生が新型コロナウイルスに向き合う姿勢にぶれはない。国民が感染に怯えるこの2年半、コロナ疲れで弱気になったり油断しそうになった時でも、岡田先生は常に警鐘を鳴らし続けていた。まさに「鉄の女」に見えた。
そんな戦時下にも拘らず、岡田先生に不思議な現象が起きたのです。マスコミに登場する度に痩せて綺麗になっていくではありませんか!洋服も地味ないかにも先生的ファションから、色鮮やかなワンピースへと大変身し、その華麗な姿がお茶の間でも話題に!私も何度か番組で一緒になり意気投合、LINE友達になりました!
メッセージの8割は感染症の話題です。「今年の冬には第8波は来ます。昨年以上の警戒が!それ以上に心配なのが幼児のインフルエンザです。この2年日本では流行しなかったので、国民に免疫力が無い、これが心配。特に幼児に大流行の恐れあり。政府は速く予防薬を確保すること。」との有り難いお言葉。ここまではいつもの岡田節なのだが… 最後に空気が一変し、自宅で咲いた綺麗なお花の写真を送ってくれる。それも月日が変わる度に「綺麗な花、咲きました✿」の添え書き付きで。そうか、岡田先生は本当は夢見る少女だっだんだ! 激論を交わすスタジオで着ていた花柄の洋服の時も、心は乙女だったのだ。考えてみれば最初の堅物のイメージもコロナと対峙していたから!失礼しました。
先日久しぶりにラジオでお会いした時、唐突に「岡田先生はカラオケなんて行く事ありますか。」と質問したのです。しばし沈黙の後「・・・ほとんど行った事がありません。居酒屋も一度も行った事がないんです。大学で研究ばかりしているもので、だめですよね。」と。私「そうなんですか。」と答えるしかなかった。
翌日岡田先生から連絡があった。「テリーさん、昨日一人でカラオケに行ってきました!5時間歌いっぱなしでした!」「ビックリ!一人で5時間も歌ったのですか?」「華原朋美の“I BELIVE”を歌いました。」「他には誰の曲を歌ったの?」「1曲だけです。5時間練習しました。上手に歌いたかったんです。おかげで声がガラガラ!」確かに岡田先生の声はかすれていた。
やっぱり「鉄の女」に間違いありません!今度カラオケ行く約束したのですが怖いです!
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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。