小野寺 盛浩: お米への情熱、 素材・四季・器へのこだわり

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小野寺 盛浩  
Morihiro Onodera   

ミシュランスターシェフ
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2000年にウエストLAに開店したモリスシ(~2011)、2020年に開店のMORIHIRO、両店にてミシュランガイドで星を獲得。長年、米を大切にした食の美味しさを追求している。

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セレクトショップやカフェが連ねるヴィレッジタウンの一角。店内に入ると、木を基調としたカ
ウンターやチェアなどシンプルかつスタイリッシュなインテリアが、空間全体にぬくもりのある雰
囲気を醸している。ここは、オーナーシェフ小野寺 盛浩さんによって2020年11月にオープン
、2021ミシュランガイドで星を獲得し、すでに多くの食通から支持を得ている名店
「MORIHIRO」だ。

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 コロナ・パンデミック下でオープンしたため、元々の計画を急きょ変更して弁当やおにぎりのテイクアウト営業からのスタートとなった。ダインイン営業がリオープンして現在は、寿司をメインディッシュとした「Omakase At Table」と「Omakase At Sushi Bar」の2種のコースを提供。一皿
ひと皿に四季が感じられるお品書きとなっている。「今の季節ですと、日本から旬の筍、そら豆の
花や葉、ロサンゼルス近郊の地野菜といった、春の味覚を存分にお楽しみいただけます。デザート
にお出ししている淡い花びらが目にも美しい桜のゼリーは女性のお客様からご好評いただいており
ます」

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目にも鮮やか、旬の春を味わえる前菜盛り。

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 素材の旬や新鮮さを大切にする小野寺シェフは、とりわけ米に対しては強いこだわりを持ち続け
てきた。1985年に渡米し、ニューヨークでのシェフ経験を経て、2000年にウエストLAに
モリスシを開店、店を運営しながらサクラメントで米作りを開始。同店を売却後には、南米ウルグ
アイに渡り、一からの米作りに力を注いだ。「私は岩手県の農家に生まれ、米作りを見て育ちまし
た。日本人にとって食で一番大切なのは、お米だと思っています。ところが、アメリカに来て感じ
たのが、お米の存在価値の低さ。何でも炊けばいいとぞんざいに扱われているのがとても残念でし
た。そうではなく、お米は大切な食材。本当のお米の美味しさや大切さをアメリカで紹介したいと
、自分なりにお米を追求してきました」。ウルグアイでの米作りは成功し、LAをはじめ全米に販売するまでに米ビジネスは成長。今もビジネスを引き継いだ人々によって現地で生産が続けられている。

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「MORIHIROでは、先月より使用するお米を一新しました。新しいお米は、故郷岩手で友人が作っ
ている、あきたこまちと、ひとめぼれです。それらを日本から玄米でアメリカに輸入し、冷蔵庫の
中で大切に保管。毎日自分の手で精米して提供しています。郷里の人たちの魂がこもったお米です
から、最高に新鮮な形で食べていただきたい」

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先月よりMORIHIROでは、小野寺シェフの郷里岩手で作られている、あきたこまちと、ひとめぼれを使用。シェフ自身が毎日丁寧に精米して提供している。

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 料理を際立たせる器へのこだわりも妥協しない小野寺シェフにとって、自身の手による器作りも
ライフワークとなっている。「料理があって、料理に合う器がある。お米、素材、季節、器、それ
ぞれの要素を大切にして、さらに美味しいものを作るにはどうするかを突き詰め続けたいと思って
います」。

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(3/15/2022)

 

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