リーゼントウイッグの時代がやって来た!

私のYouTube『お笑いバックドロップ』でいつも一緒に車屋さんに行っている相棒のイクラちゃんが、横浜で還暦ライブを行なった。そこでビックリ、大イメージチェンジ!何と「リーゼントのウイッグ」を付けてステージに登場したのだ!!

満員の観客が騒然!! どよめき!! 爆笑! 喝采! で大盛り上がり。リーゼント姿で唄っているだけで驚くほど歌の受け取り方が違ってくる。何て言うか、一気に青春の匂いがしてくるのだ。もともとイクラちゃんの歌は、スケベな冗談を言っているイメージと違って、淡い青春ラブソングが多いので、切なく歌う姿とリーゼントが最高に似合う。

イクラちゃんは、髪の毛がフサフサあった20代に戻ったのです!好きな女性に打ち明けることもできないテディボーイが完全に復活している!大成功なのだ!観客も完全にウイッグを忘れている。これって凄い!!

 

 

若さと髪の毛を取り戻した今、イクラちゃんの作詞作曲の内容も当然変わっていくだろう。なんたって強面のロックンローラーじゃなく、恋に不器用なテディボーイになったわけで。女々しいラブソングやふられた彼女をいつまでも待つ男心を、泣きながらステージで歌う姿に違和感を覚える人はいないに決まっている。変身作戦は大成功!

日本ではまだまだ男性カツラは市民権を得ていない。テレビに出てくる芸能人、政治家などが少しでも髪型が変だと、やれ「カツラだ」「植毛しているのでは」とネットなどで大騒ぎなのだ。『カツラKGB』(カツラ ガンガン バラス)などと名乗る連中もいる。私も長年帽子を被っていたせいで、最近被らないでテレビに出ると、カツラだ植毛だと騒がれる始末。実力なのに!

一方女性は髪の毛が薄くなっても、カツラは「ウイッグ」と名前を変えて、おしゃれなアイテムとなる。更にどんなヘアーカラーにしても平気!大胆なパープル、ブルーなんかも素敵!むしろ若々しいと称賛を浴びる。それに比べて男は、どんなに時代が変わろうと『カツラKGB』が何処かで見ているのだ!

その悪習を打ち破ってくれるのはイクラちゃんしかいない!聞くところによると、あのクレイジーケンバンドの横山剣さんも興味を示しているようだ。これは楽しみではないか。あの二人がステージでリーゼントになってソウルミュージックを歌い踊ってくれたら鬼に金棒、盛り上がること間違いなし。お客さんの中にも当然髪の毛で悩んでいる人がいるはず。二人に刺激を受けて、慌ててオシャレ男性カツラを購入しに行く人続出も容易に想像出来る。

楽しい時代がやって来た!

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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