デルタ株の拡大に伴い、加州の雇用増加に打撃 レストラン、ホテル、エンターテイメントは順調(10/27)

【ロサンゼルス27日】加州の先月の雇用者数は4万7,400人の純増で、合計1,667万人となった。これは、8月の9万4,700人の増加や、今年2月から9月までの平均10万1,500人の増加を大幅に下回っている。現在加州では、2020年初頭にパンデミックが発生した際に失った270万人分の雇用の3分の1以上がまだ回復していない状況となっている。

 9月の加州の失業率は、ネバダ州と並んで、8月と変わらず7.5%と全米で最も高い失業率となった。両州ともに国際的な観光業に大きく依存しており、その回復には至っていない。一方、全米の失業率は、前月の5.2%から4.8%に大幅に低下した。

 9月、加州のコロナウイルス感染率は減少に転じていたが、死亡者数は依然として増加しており、セントラルバレーや北カリフォルニアの農村部の病院は、COVID-19の患者であふれかえっていた。

 レストラン、ホテル、エンターテイメント施設を含む「レジャーとホスピタリティ」は、パンデミック時に最も被害を受けたセクターだが、雇用は回復しつつあり、先月、最も多くのポジションを追加し、2万3,300人となった。

 加州で65のショッピングセンターを展開するウッドランドヒルズのNewMark Merrill社は、昨年COVID-19が流行した後、週に250万人いた来場者の3分の2を失い、同社と、レストラン、ジム、衣料品店など1,200のテナントのほとんどは、連邦政府のペイチェック・プロテクション・プログラムの融資を受けた。同社は、リース契約を再交渉して賃料を延期し、屋外のダイニングエリアを20カ所建設した。そして約40のテナントが店を閉めたが、その代わりに新しいビジネスが生まれ、人通りもパンデミック前のレベルに戻ったとしている。

 加州の11の産業セクターのうち、9つのセクターが9月に雇用を増やした。レジャー・ホスピタリティに続き、最も増加したのはプロフェッショナル・ビジネスサービスで、6,900人の新規雇用の多くはコンピュータ・システム・デザインと建築・エンジニアリングサービスによるものであった。一方、宗教団体や市民団体などを含む「その他のサービス」は、3,700人の減少となった。

 先週、加州の新規失業保険申請件数は17,570件増加し、80,707件となり、6ヵ月ぶりの高水準となった。一方、米国の求人は、2020年1月の水準を19.2%上回ったが、加州ではわずか2%の増加にとどまった。ペパーダイン大学のエコノミストであるDavid M. Smith氏は、「雇用主は、今いる労働者を維持することに集中するために、新規雇用を縮小したのかもしれない」と述べている。

 LA郡の9月の失業率は、8月の10.1%から9.8%へと若干低下した。公立学校の再開に伴い、半数以上が教育関係の仕事となった。

 オレンジ郡では、雇用者数は8月の6%から5%に減少した。同郡では、公共教育機関を中心に8,400件の雇用が増加し、合計159万人となった。

 リバーサイド郡とサンバーナディーノ郡にまたがるインランド・エンパイアでは、9月の失業率は6.6%で、前月の7.6%から低下した。この地域は、ロサンゼルス港やロングビーチ港からの物資流通の拠点となっており、最大の増加となった5,200人のポジションは、輸送・倉庫業であった。

 

 

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