家を出れば7つの危険有り

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テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

Instagram: @terry_itoh

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朝の散歩で鎌倉の自宅から稲村ケ崎経由、海岸まで行くのがルーティンになっている。駅までの道は狭い。夏の季節、日傘の人が行き交う。これが厄介なのだ。前から来る女性の日傘がちょうど私の顔の辺りにぶつかる。今日も3名の傘が私の頭を直撃した。散歩どころではない。明治のことわざに「男は敷居を跨げば7人の敵あり」があったが、現在は「令和、家を出れば7つの危険あり」になる。危険がたくさん待ち構えているのだ。

猛暑で大流行のハンディファン。機能も風量も進化し、手軽に持てる扇風機として女性に人気だが問題も。ファンを付けたまま電車で隣に座わられると、風と一緒に汗まで飛んで来ることがある。それだけじゃない。汗に混じった強烈な香水の匂いが。これはきつい。所有者の本人も長い髪が巻き込まれる事故が多発している。更にこんな災難も。海外の観光客が背負う巨大リックサック。スマホを見て場所の確認をしながら急に振り向いた瞬間、通行人にサンドバッグ状態になり激突。駅で度々目撃される光景。ノイズキャンセリングイヤホンは音楽に集中する反面、後ろからの自転車や車の接近、駅のアナウンスなどに気付きづらい。そうなんです「耳をふさいだ状態で歩いている」ことになる。

私も散歩する時に、ロック音楽を聴きながら走っているランナーと遭遇するが、これは怖い。悩ましいのは音楽を聴きながら街を滑走している電動キックボード、ドライバーにとっても大迷惑。人通りの多い歩道で歩行者が突然止まる行為も本当に危険。これって高速道路で何でもないのに急ブレーキかけて停車するのと一緒で、玉突きの大事故の元に。後ろでスターバックスの熱々コーヒーを持っていたら大惨事になることは避けられない。道を間違えたのに気付いたか、スマホが鳴ったのが原因か分からないがとにかく気を付けたい。

「令和、家を出れば7つの危険あり」は悪い人が増えたのではなく「自分の便利が他人の迷惑になる場面が増えた」のだ。そうなると令和のことわざは「玄関出たら7つの便利に気をつけろ」が正解なのかも。これからの時代、どんな便利と迷惑が待ち受けているか想像してみる。AIメガネでの盗撮や顔認識は気づきづらい。自動運転走行時代が到来し、運転が苦手な人にも便利な技術だが「自動運転車なら止まってくれる」と思い始めると道路を平気で横切る歩行者が増える可能性がある。安全で便利になるほど人間の警戒心は鈍くなる傾向に。

ここで提案。便利はやめられないけど自分の5メートル以内の便利は自己責任、これで行きましょう。簡単に言えば人に迷惑をかけないようにエンジョイライフですね。

 

 

(9/9/2026)

 

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