【ロサンゼルスで暮らす人々】「叶えた夢は宝物」裸一貫で渡米、 77歳からも夢を追い続ける

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藤本章  Akira Fujimoto


実業家/作家/作詞家/歌手/南加日系商工会議所副会頭

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■長年リトル東京で活動を続ける藤本章さん

1972年、鞄ひとつを手に岡山から神戸へ向かい、移民船「ブラジル丸」に乗った。ロサンゼルス港に到着するまで、リトル東京の存在すら知らなかったという藤本章さん。船内でその名を知り、たどり着いたロサンゼルスで、今年77歳、喜寿を迎える。54年間、この街で歩み続けてきた藤本さんの人生は、まさに「夢を追う人生」である。

「親の恩義に報いたい」。その思いを胸に、裸一貫から商売を始めた。1975年、25歳でリトル東京に土産店「オリンピックショップ」を開業。ドジャース関連商品を扱う店として、地域とともに歩んできた。
70歳を過ぎてからは、社会への恩返しにも力を注いでいる。リトル東京の武道館や日本各地の震災被災地、ロサンゼルスの敬老施設などへの寄付を続け、会社創立50周年には地元の人々を招いたコンサートを開催。日本から歌手を招き、音楽を通じた交流の場もつくった。さらに、岡山県人会会長としても活動。山本由伸投手の故郷・岡山から約200人の学生がロサンゼルスを訪れた際には、応援や米国の歴史・文化を学ぶ機会づくりを支援した。こうした地域貢献が評価され、2023年には二世祭りでパイオニアスピリット賞を受賞し、州や市議会からも感謝状を贈られている。

そして、藤本さんにはもう一つの顔がある。6年前に「日本歌手協会米国友の会」を設立し、現在は会長を務める。歌謡文化の継承・普及・発展、日本と米国の歌手や会員の国際交流、日本歌手協会への支援に取り組んでいる。

76歳を迎えた頃、ついに歌手デビュー。さらに作家、作詞家としての夢も実現した。自らの人生を綴った『太平洋を渡ったもうひとつの夢』は、リトル東京の紀伊國屋書店で発売月のベストセラーとなった。作詞家としては「海を渡った人生」を手掛け、続く「コモエスタロサンジェルス」は2024年12月、有線放送で1位を獲得。「ふたりの思い出」「叶えた夢は宝物」なども発表している。2026年7月には、ジョン万次郎を題材にした「流浪の海人 ジョン万次郎」をキングレコードから発表した。

「アメリカンドリームとは、単にお金持ちになることではない。人種や出身、社会階級に関係なく、努力によってより良い人生を築けることだと思う」と語り、相手にどう喜んでもらえるかを常に考え、勤勉に生きてきた。その結果、多くの出会いと恩恵を得ることができたという。「人生で一番大切なのは健康。私にとって歌うことは生きる力になる。若い人たちにも夢を持ち続けてほしい」 77歳になった今も、夢の続きを歩いている。

■2025年発売された
あべ静江さんとのデュエット曲『ふたりの想い出』
■2019年3月21日、「ポール・I・テラサキ武道館」へ寄付を行うなど、地域コミュニティへも貢献。3月21日は54年前に日本からロサンゼルスに到着したと同じ日

(9/9/2026)

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