【ロサンゼルス4日】鋭い眼光と優雅な威圧感で40年以上にわたりアクション映画などで活躍した日系人俳優のケイリー=ヒロユキ・タガワさんが4日、死去した。75歳だった。
タガワさんは脳卒中の合併症により、家族に見守られながらサンタバーバラで息を引き取った。
日本で生まれ、米軍基地で育った後ロサンゼルスに移住。独自に考案した武術「中心(Chu Shin)」を指導しながら俳優業を続け、ベルナルド・ベルトルッチ監督に見出され、1987年公開の『ラストエンペラー』に出演した。同作はアカデミー賞で作品賞や監督賞など9部門を受賞した。
アカデミー賞受賞作での役柄で瞬く間に有名になり、その後30本以上の映画に出演。その多くで独特の戦闘スキルが披露された。ハリウッドで最も信頼される名脇役の一人となり、優雅で狡猾な悪役としてよく起用された。
最も象徴的な役柄は1995年の映画『モータルコンバット』で演じた邪悪な魔術師シャン・ツン。この演技はカルト的な名作となり、特に「Your soul is mine(汝の魂は我がもの)」という不朽の名台詞は記憶に刻まれた。2013年のテレビシリーズ『モータルコンバット:レガシー』で同役を再演し、ビデオゲーム『モータルコンバット11』ではシャング・ツンの声を担当。新たな世代のファンにその演技を紹介した。