【ロサンゼルスで暮らす人々】自分でやれるという発想から常に出発 過去の経験はすべて有り難い

LA暮らし

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河合大呉
Daigo Kawai


映像プロデューサー Ringmasters LLC, CEO / CYK Studios, 創業者

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■ボディビルダーの福富徹さん。ロサンゼルス大会で3位入賞

「16歳でブラジルにロータリー交換留学で行きました。必死にポルトガル語を勉強しました。ある時、ブラジル全土にいた100名以上の海外交換留学生と一緒に旅行したんです。欧米から来た留学生は当たり前のように英語を話すので驚きました。ブラジルに留学したのだからポルトガル語を共に学ぶ仲間だと思っていたからです。植民地主義的なものを感じた最初でした。これが米国に興味を持つきっかけになりました」河合大呉さんはポストプロダクションを得意とする、日本語・英語・ポルトガル語を操る人気の映像プロデューサー。彼の半生に迫った。

 1980年静岡県出身。婿養子の父と母は共に書道の先生。3人きょうだいの一番上として育った。影響を受けたのは同居していた母方の祖父。司法書士でコーラスを趣味とする多彩な人だった。祖父のおかげで常に音楽がそばにある毎日を過ごす。小学4年の時「金管バンド部に入りたい」と母を説得するも「ダメ」と断られた。しかし音楽への熱い想いは変わらず、中学校で念願の吹奏楽部に遂に入部。担当はホルン。13歳の時にシンセサイザーを買ってもらい、作曲に目覚め始める。

 高校の時、山梨・静岡地区のロータリー財団交換留学プログラムに合格。ポルトガル語も英語も話せない状態でブラジルに行ったが、音楽をやってきた耳の良さと努力で3ヶ月後からポルトガル語を話し始めるように。プログラムの一環で全土から留学生を集めた際、話される言語がポルトガル語ではなく英語だったことに衝撃と違和感を受け「世界の中心にいる米国へ行かなくては」という思いに駆られるように。18歳で日本に戻り、高校卒業後、ユタ州にある音大にホルン奏者として留学。しかしユタ州は音楽のマーケットが狭かったため、2007年LAに転居。OPTの間、デモテープを作っては色々なところに送ったが、作曲家としての結果には恵まれなかった。

 縁あってエル・セグンドにあるスクウェア・エニックス・アメリカに入社。ビジネスサポートの分野でバイリンガルであることを生かした仕事に従事し、重宝された。その後2007年にリーマンショックが起こり、帰国を余儀なくされる。前職がきっかけとなり、今度は(株)ソニー・コンピュータ・エンタテインメントに転職。日米の租税条約などに関わり、法務に強くなった。これらすべての経験が「自分で会社をつくるなら今だ」という確信に変わり、31歳の時、音楽制作会社Ringmasters LLC を創業した。その後、新たに映像制作部門を立ち上げた。「会社はグローバルであるべき」との指針を持つ河合さんが雇う社員は多国籍。「積極的に外国人を雇います」常に見ているのは世界だ。「何でも自分でやれるという発想からすべてを考えています。過去の経験はすべて有難い経験です」

■撮影の様子
■電気工事士の資格も取った。スタジオDIY中

(11/25/2025)

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「【ロサンゼルスで暮らす人々】自分でやれるという発想から常に出発 過去の経験はすべて有り難い」への1件の返信

  1. 夢を持ち続けたくましく道を切り拓いて歩んでいらっしゃる経験に感動です。
    私もJICAボランティアでブラジルに2年間住みました。
    ポルトガル語だいぶ忘れてしまいましたが、また勉強しようと思います。
    所用で来年1月にLAに行く予定です。何か仕事があればしばらく住んでみたいです。
    お仕事成功されます様に願っています。

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