【ロサンゼルス23日】メジャーリーグベースボール(MLB)の11人で構成される競技委員会は23日、2026年シーズンからメジャーリーグで「自動ストライク判定システム(Automated Ball/Strike System=ABS)」の使用を承認した。いわゆる”ロボット審判”が導入されることになる。
人間のプレート審判がボール・ストライクを宣告する方式は維持されるが、各チームは1試合につき2回の判定に異議申し立てが可能で、延長戦では追加の異議申し立て権が与えられる。異議申し立ては投手、捕手、打者のいずれかがヘルメットやキャップを軽く叩く動作で示さねばならず、成功した場合に限りその権利を保持できる。判定の検証結果は外野のビデオボードにデジタルグラフィックで表示される。
ロボット審判の導入により退場処分が減る見込みだ。MLBによると、昨季の選手・監督・コーチの退場処分の61.5%がボール・ストライク判定に関連しており、今季(21日まで)でも60.3%が同様の理由だった。この数値には侮辱的発言、判定抗議時の用具投げつけ、不適切な行為による退場も含まれる。
「UmpScorecards」のデータによれば、メジャーリーグ審判の判定精度は投球の約94%が正しいとされる。
ホークアイカメラを採用したABSシステムは、2019年からマイナーリーグで試験運用されている。独立リーグのアトランティック・リーグは2019年のオールスターゲームで本システムを試行し、MLBは同年開催の有望選手対象アリゾナ・フォールリーグに導入した。2021年にはローA級サウスイーストリーグの9球場中8球場でABSが導入され、2022年にはトリプルA級へ拡大された。
MLBは2024年6月26日、トリプルAを全試合チャレンジ制に移行。その後、今季は19球団が使用する13のスプリングトレーニング球場において、計288試合のオープン戦にチャレンジ制を導入した。球団のボール・ストライク判定チャレンジ成功率は52.2%(1,182件中617件)だった。
今季のトリプルAでは、21日までの試合における1試合平均チャレンジ回数が3.9回から4.2回に増加し、成功率は50.6%から49.5%に低下した。守備側のチャレンジ成功率は53.7%、攻撃側は45%だった。
ロボット審判の導入は2024年の大規模なルール変更以来、MLB初の主要なルール改正となる。前回の改正ではピッチクロック、守備シフトの制限、盗塁阻止試行などの投手の離脱、ベースの拡大などが導入された。