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柳本千晶 Chiaki Yanagimoto
映画プロデューサー SAKKA Founder/
Synepic Entertainment Producer
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『SAKKA』サイト:www.sakkafilms.com
インスタグラム:@sakkafilms
「生まれた町には娯楽が一切ありませんでした。カラオケもなければコンビニもない。唯一あったのはレンタルビデオ屋。洋画好きの母がよく映画を借りてきて一緒に観ました。私の原点です」映画の中心地といえばハリウッド。才能がひしめき合うこの地で映画プロデューサーとして活躍する柳本千晶さんに話を伺った。
1984年山梨県北杜市出身。両親と3才上に姉がいる。映画館やゲームセンターといった娯楽施設がない街で、駅前のレンタルビデオ店が唯一のエンタメだった。VHSを借りてきては居間で母と鑑賞。『E・T』などのスピルバーグ作品に夢中になった。吹き替えを好まない母のおかげで耳が英語に慣れていった。
高校は地元の進学校へ。周りは日本有数の大学進学を志すなか、柳本さんは進学に意味を感じなかった。「興味は英語と映画くらい。LAの映画学科でなら勉強したいと思ったんです」けれども高3の時9・11が発生。複数の大学の合格通知を手にしていたが心配する両親のために渡米を一旦断念。大学留学すると「学力がない、遊び気分」といわれた時代。誰にもそう言わせまいと受けていた東京外国語大学の英語専攻に結局は進学。「渡米できなかったショックが大きく、一番浮かれない顔をした新入生だった」と振り返る。だが2ついいことがあった。留学生寮に入り浸り、英語が上達したこと。そして外大の掲示板でUCLAの撮影クルーが東京スタッフを募集していると知ったこと。もちろん彼女は応募。そこで出会った日本人に「カリフォルニア州立大学(Cal State)ノースリッジ校の映画学科はとてもいい」と聞いたことが彼女を次のステップへ導いた。受験し見事合格。半年で外大を辞め、渡米までの1年間は生活費を貯めるため居酒屋でバイトした。もう少し長く外大に居てもよかったのでは、と尋ねたところ「Cal Stateで1年生からやりたかった。外大に1年いると単位を取ってしまい編入になるので半年で退学しました」
大学卒業後はLAの制作会社に在籍し、プロデューサーの通訳兼アシスタントとして製作の全体像を学んだ。2009年にプロデューサーとしてのキャリアを始め、2015年ドキュメンタリー『カンパイ!世界が恋する日本酒』は東京国際映画祭など多くの国際映画祭で上映。最新作『AUM: The Cult at the End of the World』はサンダンス映画祭を経て今年3月北米で劇場公開された。現在も複数の国際企画を進める一方、日本のインディペンデント映画を海外に届けるプラットフォーム『SAKKA』を立ち上げ、日米の映画界を積極的に繋いでいる。「日本の田舎でアメリカ映画に夢中になった自分のように、世界のどこかで日本映画に魅せられる子がきっといる。そのきっかけを作ることが、映画と母への恩返しです」夢は広がる。

サイト:https://greenwichentertainment.com/film/ aum-the-cult-at-the-end-of-the-world/

サイト:www.baruerukamu.com
インスタグラム:@baruerukamu
(7/4/2025)
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