LA市が「聖域都市」条例可決、トランプ次期大統領の移民強制送還に対抗(11/20)

【ロサンゼルス19日】次期大統領に再選されたトランプ氏が、多くの不法移民を強制送還するとの選挙公約を実行するため、軍の資産を運用すると示唆した翌日の19日、ロサンゼルス市議会は、これら連邦による移民の取り締まりに対し市のリソースを利用したり職員を任用することを禁じる「聖域都市」条例を可決した。

 この条例は、1年以上前に市議会で草案が承認されており、19日午後に13対0の満場一致で可決された。今月、就任と同時に米国史上最大級の強制送還を約束したトランプ氏の当選を受け、新条例を正式に制定し施行しようとする動きが再び活発化した。

 トランプ氏は18日、移民の強制送還に向けて国家非常事態を宣言し、連邦政府の取り締まりのために軍事資産を使用する用意があるとの報道について、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿を通じて確認した。

 ロサンゼルスのカレン・バス市長は12日の声明で、「特に、ここロサンゼルスの移民コミュニティーに対する脅威が高まる中、私はこの街の人々と共に立ち上がる」と述べ、対策への緊急性を指摘した。

  市議会がこの「聖域都市」条例に投票する中、ロサンゼルス統一学校区の教育委員会もまた、独自の「聖域」対策に着手した。これは、学校区の職員が自発的に移民を対象にした取り締まり行為に協力することを禁じる内容。また、米国移民税関捜査局(ICE)のような連邦捜査官や機関と、生徒やその家族の移民ステータスに関する情報を共有することを禁じる内容も含まれる。現在、地元の警察や法執行機関は、カリフォルニア州の「聖域州」法の下で、このようなデータや情報を共有することを禁じられている。

 カリフォルニア州では、トランプ大統領就任後1年以内に州議会議員によって「SB 54」(別名:カリフォルニア州価値法)が提案され、ジェリー・ブラウン前知事が署名して成立した。これは、連邦移民取り締まりのために州や地域のリソースを使用することを制限するもので、地元の警察機関が強制送還命令の実行や補助など、移民関連の逮捕を行うことを禁止している。2018年1月1日に施行され、ホワイトハウスと州との間で激しい法廷闘争が繰り広げられた。

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