【ロサンゼルス9日】ロサンゼルス市議会は9日、同市を「移民の聖域(sanctuary city for immigrants)」とし、市のリソースを連邦政府の移民取締まりに使用することを禁じることを盛り込んだ決議案を承認した。
議会では、ロサンゼルス市の豊かな移民史を認識し、移民ステータスの有無に関わらず、すべての住民の権利と幸福を守るために努める意向が市議らによって表明された。
市議会は9日、市内の各部署に対し、ロサンゼルスが正式に移民の聖域都市となるために必要な措置をとるよう求める動議を承認した。この動議は、市議会の公民権、公平、移民、高齢化、障害者委員会と公安委員会で承認されたもので、市法務官に60日以内に「市のリソース、財産などが連邦移民法の執行に利用されることを禁止する」条例案を作成するよう指示している。また、移民取締りに関する「職務の遂行」において、市が連邦移民当局に協力することを禁じる内容も含まれる。
この決議案を起草したニシア・ラマン市議によると、ロサンゼルス市の移民人口は数百万人で、少なくとも片方の親が移民という子どもが大半を占める。「同市の相当数の住民は、連邦移民局に逮捕、拘留、強制送還される恐怖に怯えながら暮らしている」とラマン市議は述べ、「移民の聖域決議は移民コミュニティーを正式に保護するための最初のステップ」と話した。
また、ヒューゴ・ソトーマーティネス市議は、近年、ワシントン、フロリダ、テキサスから、移民コミュニティーと政府との間に不信感を抱かせるような「憎悪に満ちたレトリック」や有害な法律が多く出てきている、と指摘。この動議はロサンゼルスが信頼できる都市であることを示す移民コミュニティーへの明確なメッセージだと述べた。
カリフォルニア州としてはすでに2017年、「聖域の州(sanctuary state)」としての法案が成立しており、合衆国移民税関捜査局(ICE)を支援するために州や地域のリソースが使用されることを制限している。