最高にうまいホットケーキを食べた!

 二ヶ月に一度、江東区森下町のスタジオでテレビ収録がある。その度に気になっていた喫茶店があるのだ!

お店の貼り紙には「銅板で焼いて40年、小野珈琲のホットケーキ」とある。そういえば日本ではいつからか、ホットケーキからパンケーキと呼び方が変わってしまったのか。原宿辺りのお店では当たり前、地方のお店でもメニューはパンケーキになっているのに、このお店では頑固に40年間ホットケーキなのだ。

 

 

気になって1年、遂にお店に行ってみた。清潔感はあるが何の変哲もない地味な内装だ。早速お目当てのホットケーキを注文し待つこと15分。最高に香ばしい匂いをさせてやって来た。最近の薄いパンケーキを見慣れているせいか、その厚さにビックリ。絶対に6センチはある!バター、蜂蜜、生クリームを従え正に昭和を感じさせる堂々とした佇まいではないか!

早速蜂蜜を垂らしながら大きな口を開けて食べたのだが、最高に美味し過ぎるじゃないか!

 

二口目を食べたところで私はおふくろを思い出した。我が家に初めてホットケーキが登場したのは私が小学3年生の時だった。そうなんです、普通の家庭より遅いのです。

それには理由があって、実家が築地の玉子焼き屋の我が家は同じ様なホットケーキを作ることは禁じられていたのだ!そんな思い出も甦る味だったのです。

 

更に嬉しいのは、お値段なんと350円の激安プライス!! コーヒーも抜群の味。なんともホットケーキと合う。

大満足の後ご主人に作り方を伝授してもらうことに。(1)牛乳を入れ過ぎない(2)混ぜすぎない(3)生地の粘りはほどほど(4)弱火で時間をかけて銅板で焼く。と惜しげもなく教えてくれた。感謝です。

とはいえ家で作るよりも下町情緒たっぷりの森下町に来て小野珈琲でいただくのが一番!

 

このお店、実はそれだけではない。昔ながらのナポリタンも泣けるのだ。派手な盛り付けはしていないが、味は十分に責任を果たし、客の気持ちを鷲掴みにしてくれる!大満足なんです!!

 

 帰り道パンケーキの存在を考えてみた。パンケーキの周りには季節によって変わるフルーツなどの助っ人がいつもいる。イチゴ、バナナ、メロン、キューイ、ブルーベリー、更には大量のホイップクリーム、チョコレートクリーム等々が入れ替わりで援護射撃してくれる。そうなんです、今や生地が主役では無くなっている。時代の流れの中どちらがいいか分からないけれど。

 

 皆さんも一度涙が出るほど、本当に美味しいホットケーキ食べに来ませんか! 幸せ気分になれますよ!

 

 

 

■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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