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第九十四回
祖父母から聞いた日本の教育


台湾に残る『教育勅語』の記憶

「日本統治時代の教育の中で、特に『教育勅語』は、台湾の人々の人生の道標であったと、祖父母世代からよく聞いていた」と、台湾人通訳の李久惟さんはおっしゃいます。

教育勅語とは、1890年に明治天皇が発布した教育の基本方針のことで、国民に向けて語りかけるように12の徳目が示されました。
教育勅語を現代語訳で読んでみましょう。

「私たちの祖先は、国をお肇めになったときから、道義道徳を大切にするという大きな理想を掲げてきました。そして、全国民が心を一つにして力を尽くし、この国の比類なき美風をつくり上げてきました。これはわが国柄のすぐれて美しいところであり、教育が基づくべきところもまたここにあると思います。

国民の皆さん、両親には孝養を尽くし【孝行】、兄弟、姉妹は互いに力を合わせて助け合い【友愛】、夫婦は心を合わせて仲睦まじくし【夫婦の和】、友人とは胸襟を開いて信じ合い【朋友の信】、そして自己の言動をつつしみ【謙遜】、すべての人々に愛の手をさしのべ【博愛】、学問に励み、仕事に関する技術・技法の習得・向上に努め【修学習業】、知識を養い【智能啓発】、人格を磨き【徳器成就】、進んで社会公共のために貢献し【公益世務】、常に法律や、秩序を守ることはもちろんのこと【遵法】、その上で、国家危急の際には勇気を奮って公のために力を尽くしましょう【義勇】。

このように実践することは、善良な国民としての当然の務めであるばかりではなく、私たちの祖先が、今日まで身をもって示し遺された伝統的美風を、いっそう世に表わすことでもあります。
このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私たち子孫が守らなければならないところであると共に、昔も今も変わることのない、また日本ばかりでなく、海外でも十分通用する普遍的な真理にほかなりません。

私(明治天皇)も皆さんと一緒にこの大切な教えを心に刻み、実践します。そうして、わが国に高い徳性が保たれることを心から念願するものであります。」
(次号に続く)

(10/1/2026)


筆者・森 日和

禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com

 

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