最高裁、トランプ政権のロサンゼルス地域における大規模な移民取り締まり再開を許可(9/8)

【ワシントン8日】最高裁は8日、トランプ政権が南カリフォルニアで行なっていた不法滞在者の取り締まりで、人種や職業を理由にした身柄拘束の停止を求めた地方裁の仮差し止め命令を凍結することを認めた。トランプ政権によるロサンゼルス地域などでの大規模な移民取り締まり活動が当面再開されることになる。

 米連邦第9巡回区控訴裁判所は、トランプ政権が地方裁判所の命令を一時停止するよう求めた申し立てをほぼ却下した。これを受け司法省は最高裁に緊急救済措置を求めた。

 司法長官代理のD・ジョン・サウアー氏は、地方裁判所が発令した差し止め命令が、ロサンゼルスにおける移民当局の移民法執行能力を阻害し、日常的な捜査に支障をきたしていると主張した。

 一方、ソニア・ソトマイヨール判事、エレナ・ケイガン判事、ケタンジ・ブラウン・ジャクソン判事は反対意見を表明。「ラテン系でスペイン語を話し、低賃金の仕事に従事する人なら誰でも拘束できる国で生きるべきではない」と述べた。

 ロサンゼルスのカレン・バス市長は声明で、この判決は「働く家族が引き裂かれるというさらなる事態を招く。本来なら人々を守るべき機関が人々を迫害する、そのことへの恐怖が生まれるだろう」と言及。「これはロサンゼルス市民への攻撃に留まらない。この国すべての都市に住む一人ひとりへの攻撃だ。今日の判決は危険なだけでなく、非アメリカ的であり、合衆国における個人の自由の基盤を脅かすものだ」と強く反発した。

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