
ららら編集部・松原がロサンゼルスでの生活を通して、映画やカルチャーについて感じたことや見つけたことを、毎週金曜日にお届けします。

松原 夏子 Natsuko Matsubara
明治学院大学文学部芸術学科映像芸術学系列卒業。コロナ後に渡米し、UCLAエクステンションでProducing Certificateを取得。現在、Weekly LALALA編集部の一員として、ロサンゼルスで奮闘中。
Instagram @natsuko.matsubara
第6回:本のフェスティバル@USC
4月下旬にUSCで開催された「The Los Angeles Times Festival of Books」に行ってきました!
このフェスティバルは、毎年この時期にUSCで開催されており、今年でなんと30周年目!USCといえば、ジョージ・ルーカスをはじめ、数々の映画監督やプロデューサーを輩出してきたアメリカ屈指のフィルムスクール。こんな素敵な環境で映画を勉強できるって素晴らしいですよね。

このフェスティバルは入場無料で、キャンパスに白いテントのブースがずらっと並んでおり、ロサンゼルスのインディペンデント系の本屋をはじめとした300以上の出展者が参加。キャンパスの雰囲気やロサンゼルスの天候も相まって、こうやって外で本を楽しめるのはとてもワクワクしました。
ブース巡りをしている最中、本好きな人達が集まる和やかな空気感が、とても居心地が良かったです。本だけでなく、お洒落な本のしおりや、ステッカー、Tシャツやトードバッグなどのアパレルを売っているお店もあって、若い世代で賑わっていました。子供向けのエリアもあり、児童書や子供向けの遊べるスペースもあったり、幅広い層が楽しめるイベントになっているところも良いなと思いました。
他にも、ストーリーテラーたちのパネルディスカッション、作家のサイン会、野外でのバンドの演奏などが行われ、明るい前向きなエネルギーを沢山感じました。
私は、パネルディスカッション「The Business of Show Business: Actors and Writers on Life Behind the Scenes」に行ったのですが、個人的には、自分のストーリーを語ることの重要性についてのお話が、心にずっしりときました。去年UCLAエクステンションで脚本の授業を取っていて、自分の企画をピッチする練習があったのですが、「なぜ自分がこのストーリーを語る必要があるのか」「なぜ今なのか」といった問いを大切にしようと思った記憶が蘇りました。

気になる本がありすぎてどれを買うか迷ったのですが、Skylight Booksのブースで、友人も読んで面白かったと言っていた『The Age of Magical Overthinking: Notes on Modern Irrationality』を購入しました。お会計の時に、このしおりをくださって、とても気に入っています。

DEAR VANILLA / KYOTO ARTSさんの昔の映画のパンフレットや映画雑誌の販売も、自分の中で激アツでした。どうやってこれだけのものを集めたのかや、どのようにしてこんなに良い状態で保管されてきたのか、とても気になります。実店舗は無く、イベントなどに出展されているとのことなので、ぜひまたお伺いしたいと思っています!

そして、歩いていて偶然目に留まったのが、ラーメンの絵本『Ramen for Everyone』。イラストは日本出身のShiho Pateさんが描かれています。Shihoさんに、絵本にサインをしていただきとても嬉しかったです。この絵本を読むと、あたたかい家族のストーリーとイラストにとても心が癒されます。

こうやって思いがけない本に出会ったり、初めてお会いする方々と話したり、とても楽しかったです。ここで本を購入することによって、本屋さんを直接サポートすることができるというのもとても素敵だと思いました。
今年はロサンゼルスでもっといろんな本に出会っていきたいなと思います!
(5/16/2025)