【ロサンゼルス21日】ロサンゼルスのカレン・バス市長が21日、施政方針演説を行い、139億5000万ドルの2025-26年度予算を発表した。
この予算は当初予想されていた10億ドルの不足を解消する内容だが実際は昨年並みで、経費が増加し収入が減少する中、レイオフや部署の統合によって部分的にギャップを埋める。
予算編成が始まって以来、レイオフは 「避けられない 」と言われており、3,500のポジションが削減の対象になっている。21日の予算案で発表された最終的なレイオフ対象人員には、1,647人の補充ポジションの人員削減と1,074人の欠員を補充しない計画が含まれた。
バス市長は「職員は市の財産で、レイオフは絶対的な最終手段」と述べた上で、今週サクラメントに赴き、レイオフによる影響を軽減するためより多くの財源を要求すると述べた。
市の歳入の35%を固定資産税が占めるが、それ以外に事業税、売上税、ホテル税があり、これらはすべて減少している。市の予算に影響を与える他の要因としては、トランプ関税の未知の影響、賠償責任の支払い、パリセーズ火災に関連する予期せぬ出費などがある。
市当局によると、レイオフとは別に、予算ギャップを埋めるには、機能していない「ゴースト・ポジション」の削減、コストを相殺するための新たな歳入の特定、コンサルティングやその他の契約サービスの削減、いくつかの資本プロジェクトの延期などが必要だという。
マット・シャボ最高総務責任者は、財政危機の原因として、税収が予測を3億1500万ドル下回ったこと、消防士と警察の年金支払いが1億ドルに増加したこと、固形廃棄物料金の8000万ドル、1億ドル以上の訴訟費用、市の予備費を補充するために2億7500万ドルが必要となったことを挙げた。
赤字補填のための構造改革には、部局の統合や委員会の廃止が含まれる。これらは、高齢化部門、経済・労働力開発部門、青少年開発部門の地域・家族投資部門(CFID)への統合、諮問機関である保健委員会、革新・業績委員会、気候緊急動員委員会の廃止など。
予算案はまた、市が要求する5%を上回る6%の予備費を維持。コンベンション・センター、セプルベダ・ベイスンの改修、バレーとサウスLAのレクリエーション施設など、資本インフラ・プロジェクトはすでに予算が組まれている。
バス市長はまた、治安へのコミットメントを確認。市警再建の成果として警官職への希望者がこの4年間で最高を記録したと報告し、ロサンゼルス市警は昨年に比べ120人の警官を増員したと述べた。
予算案にともなう市の警官、消防士の人員削減はなく、ロサンゼルス市消防局の予算は12.7%増となり、227の新たなポジション、救急救命士や迅速な対応車両、その他のリソースやサポートのための資金が増額された。また、待ち時間を短縮するために、700人の911緊急ディスパッチャーのための予算も継続される。
この予算案は今後、ロサンゼルス市議会が承認への投票を行う。