【ロサンゼルス16日】人気テレビドラマ「ツイン・ピークス」などの監督として知られるデビッド・リンチ氏が死去した。78歳だった。家族が16日に発表した。死因は公表されていないが、昨年8月に肺気腫の診断を受けていた。
リンチ氏は1946年モンタナ州生まれ。「アメリカン・フィルム・インスティテュート」で学び、作家、監督、画家として活躍した。1977年、卒業制作を初の長編映画「イレイザーヘッド」として発表し映画界デビュー。この作品はモノクロのシュールレアリスム・インディーズ映画で、深夜映画として瞬く間に有名になった。
この「イレイザーヘッド」がプロデューサーのメル・ブルックス氏の目に留まり、重度の奇形児ジョセフ・メリックの生涯を映画化した「エレファント・マン」の監督として迎え入れた。リンチ氏は「エレファント・マン」をはじめ、1986年の「ブルーベルベット」、2001年の「マルホランド・ドライブ」と3度にわたりアカデミー賞監督賞にノミネートされた。「マルホランド・ドライブ」ではカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞した。
リンチ氏はまた、フランク・ハーバート氏のSF小説「Dune」を映画化した1984年の作品でも監督を務めている。
「ツイン・ピークス」では、ミステリーと奇抜な発想の独特の組み合わせで視聴者をたちまち魅了。90年代初頭に2シーズンだけ放送され、1991年のゴールデングローブ賞では最優秀TVシリーズ賞とカイル・マクラクラン氏の主演男優賞を含む3部門を受賞した。
リンチ氏は2019年に映画アカデミーのガバナーズ・アワードで名誉アカデミー賞を受賞し、2012年にはアメリカン・フィルム・インスティテュートから名誉学位を授与された。