

筆者・志村 朋哉
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南カリフォルニアを拠点に活動する日米バイリンガルジャーナリスト。オレンジ・カウンティ・レジスターなど、米地方紙に10年間勤務し、政治・経済からスポーツまで幅広く取材。大谷翔平のメジャー移籍後は、米メディアで唯一の大谷番記者を務めた。現在はフリーとして、日本メディアへの寄稿やテレビ出演を行い、深い分析とわかりやすい解説でアメリカの実情を日本に伝える。
通信012
炎の恐怖と戦うロサンゼルス
私たちにできること
ロサンゼルス郡で発生している大規模な山火事によって、住宅街が完全に消失し、数万人もの住民が避難を余儀なくされ、多くの人々の生活が一変しました。この悲惨な光景は世界中を震撼させ、南カリフォルニア社会全体に大きな衝撃を与えています。
読者の皆さまの中にも、被害に遭われた方やそのご家族、知人がいらっしゃるかもしれません。被災地の人々が、一日も早く安心して暮らせる日が訪れることを願ってやみません。
悲しいことに、こうした災害に便乗した犯罪も報告されています。避難者が家を離れている間を狙った空き巣事件や、慈善団体を装った詐欺行為が、被災地の混乱をさらに悪化させています。
また、ソーシャルメディアを中心に誤情報も拡散されています。一部の政治家や活動家は、この災害を利用して州政府や特定の政党を批判する発言を繰り返しており、不安や怒りを煽ろうとしています。
例えば、ドナルド・トランプ氏は、政敵である民主党のギャビン・ニューサム州知事の水管理政策のせいで、消火活動に必要な水が足りなくなったと主張しています。しかし、専門家や当局によると、南カリフォルニアの水貯蔵量は歴史的に見ても高水準に達しています。消火栓の水不足は、水を住宅街に送るインフラが、今回のような大規模火災に対応できるよう設計されていなかったことが原因とされています。
さらには、今回の火災が一部勢力によって仕組まれたものだという根拠なき陰謀論もSNS上で拡散されています。
私自身、これまでカリフォルニアでの災害や政治を取材してきましたが、こうした問題は決して単純ではありません。災害時には感情的になりやすく、誰かに責任を押し付けたくなる気持ちも分かります。そのため、恐怖や怒りを増幅するような情報が広がりやすいものです。しかし、冷静な対応が求められる今だからこそ、情報の真偽を見極めることが重要です。
事実を見極めるには、その情報を発信している人が、「事実を知りうる立場にいるのか?」を考えることが重要です。例えば、災害に関することであれば、バイアスのかかった政治家や芸能人の意見ではなく、火災やインフラを研究する専門家や、消防などの公的機関が発信する情報を頼るべきです。また、アメリカに住んでいる日本人や、日本語ができるアメリカ人が、米社会のあらゆる事情に精通しているというわけでもありません。
他に信頼できる情報源としては、ロサンゼルス・タイムズやLAistなどの報道機関があります。これらのメディアは、できる限りの事実確認をした上で最新情報を提供しています。英語が苦手だという方も、ChatGPTなどの無料ツールで、こうした情報を日本語に翻訳することができますので、ぜひ活用してみてください。
当記事の執筆時点では、消防隊の消火活動は一定の進展を見せていますが、再び強風が吹くことが予想されているため、予断を許さない状況です。私の住むオレンジ郡を含め、南カリフォルニアの他の地域でも、雨が降らない乾燥状態が続く限り、山火事のリスクはつきまといます。読者の皆さまも、カリフォルニア州消防局のウェブサイト(fire.ca.gov/prepare)などを活用し、家庭での防火対策を確認してみてください。乾燥した植生の除去や防火材の使用などの取り組みが被害を軽減する助けとなります。
南カリフォルニアの地域社会が協力し合い、共に乗り越える力を信じたいと思います。
(1/15/2025)
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