
第六回
「着物」の危機から生まれた
サーキュラーエコノミーの取り組み
日本の伝統衣装である着物は、着る人が激減し、一度も袖を通していない新品の着物まで古着店に並んでいます。しかもとても安価で。値段は皆様もご存知の通り、その物の価値がどうであれ、需要と供給のバランスによって定まります。着物は高価な材料を用い、織りも染めも縫いも長年の鍛錬によって培われた職人技によって作られているので、本来の価値は高いはずです。
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しかし、需要が少なく供給量が多いと、本来の価値とはうらはらに値段は安くなってしまいます。ある時、古着店に参りましたら、「さっき大量に着物を買われた方がいらっしゃってね」と店員さんがおっしゃるので、「業者の方ですか?」と尋ねると、「外国の方だったの。着物をそのまま輸出して、海外で加工されるそうよ」と。日本の財産が安価で海外流出していることは不本意でしたが、どこかで活用して下さっているならまだましと思いましたのは、ニュースで着物が大量に廃棄されていることを知った為です。
当時のニュースによると、着物の廃棄量は年間約1兆円とのことでした。悲しい現状を知り、居ても立っても居られず「着物を捨てずに活かす」取り組みを2022年に開始いたしました。海外で講演をさせていただいた時にはこのようなお言葉も。「外国での暮らしはパーティの機会が多く、その席には日本人として着物を着て行きたいのだけど、着付ができなくて。結局ドレスを着ているの」と。
せっかくの文化交流の場ですのに、日本の文化を身に纏っていただけていないことを憂い、着物生地を使ったドレス製作を始めました。着物の柄はすべて吉祥柄で縁起が良く、社交の場で着物ドレスの柄の話をなさっていただくだけで日本の国柄をお伝えすることができます。平和な世は、まずはお互いの価値観を理解し合うことからと思いますと、お相手の国の国柄を知り、そして日本の国柄もお伝えすることが大事であると思います。次号では着物の吉祥柄の意味についてお伝えいたしたいと思います。

(1/15/2025)

筆者・森 日和
禮のこと教室 主宰 礼法講師
京都女子大学短期大学部卒業後、旅行会社他にてCEO秘書を務めながら、小笠原流礼法宗家本部関西支部に入門。小笠原総領家三十二世直門 源慎斎山本菱知氏に師事し、師範を取得する。2009年より秘書経験をいかし、マナー講師として活動を開始する。
2022年より、廃棄処分から着物を救う為、着物をアップサイクルし、サーキュラーエコノミー事業(資源活用)・外国への和文化発信にも取り組む。
https://www.iyanokoto.com
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