スケボー選手 堀米優斗はカッコイイ

東京・パリオリンピックで「スケートボード男子Street」2大会連覇の堀米優斗(25)が秋の園遊会に招待され、天皇陛下と懇談された。最後の大逆転の話など大変盛り上がったと聞く。女子部門では吉沢恋選手(15)金メダル、赤間凛音選手(15)銀メダルと、今やスケートボード競技は日本のお家芸になりつつある。かつて冬の時代もあっただけにスケートボードを愛する人々にとって万感の思いでは。

1970年になった頃ファッション雑誌「ポパイ」などが毎週LA特集を組み、その中で取り上げられたのがきっかけでスケートボードは日本で知られるようになった。折からのサーフィンブームもあり、瞬く間に大流行に。しかしスケボーを楽しむ場所が日本には余り無く、車道、公園の階段、神社仏閣の広場など遊ぶ場所はごく限られた。そうなると騒音問題などで住民との間にあつれきが生じ、いつの日かスケボー、イコール不良のイメージがついてしまい世間から白い目で見られるように…。そんな事もあり80年代スケボー愛好者は減少。

日本に於いてスケボーの復活はまさにオリンピック競技に採用されたことが要因に他ならない。今まで不良のアイテムと思われていたスケボーがオリンピックの正式種目に。となると日本の企業も一気に風向きを変え、応援支援へとなってゆく。こういった辺りが、いかにも日本っぽい感じがするが。更なる追い風としては、80年代白い目で見られていた当時の少年たちがパパになっていて、自らの夢を子供達に託すよう、幼い頃からスケボーの英才教育をしだす。堀米選手などまさに典型的な例だ。

幼少時代から競技に親しむとことは野球、サッカーとあまり変わらない。決定的に違うのはファッション。野球、サッカー、ラグビーはユニホーム着用となるが、スケボーは個性的なストリートファッション、この違いが新鮮で格好いい。SupremeやAdidasなど若者に大人気ブランドを着こなしアクロバットな技を見せる。今や小学生が一番憧れのスポーツとなってきた。ブレイクダンス競技にも同じ現象が起きている。少し前までスポットが当たらなかったスポーツが今や時代の寵児になっている。

巨大化しすぎたオリンピックに賛否両論はあるが、このようなムーブメントは大歓迎。さて、次回のロサンゼルスオリンピックで開催予定の日本のテレビ番組「サスケ」からインスパイヤーされたと言われる「新障害物レース」も絶対に面白そう。新たなるスターアスリートの誕生となるのか!楽しみは尽きない。

 

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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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