【ロサンゼルス27日】ロサンゼルス公衆衛生局は26日、蚊が媒介する病気「西ナイル・ウイルス」への感染が原因でサンフェルナンドバレーの住民が死亡したと発表した。同ウイルス感染で死者が出るのは今年初めて。同局によると、ロサンゼルス郡の蚊のピークは6月から11月で、注意を呼びかけている。
同局によると、この人物は入院中だったが、ウエストナイルの重症例による神経疾患で死亡した。今年に入ってから14人がこのウイルスに感染した。
同局のデータによると、2018年から2023年の5年間で、ロサンゼルス郡では320人の西ナイルウイルス感染者と17人の死亡者が出ている。感染者数と死亡者数が最も多かったのは2020年で、93人の感染者が報告され、7人が死亡した。
この病気は、「西ナイル・ウイルス」に感染した蚊に刺されることで感染するが、ほとんどの蚊はこのウイルスを媒介しないため、人が感染することはまれ。米疾病対策センターによると、症状は発熱、体の痛み、頭痛、下痢、嘔吐、発疹などの軽いもので、ワクチンや治療薬はない。
しかし、特に50歳以上の高齢者や持病のある人は、入院や死に至るケースもあるので注意が必要。公衆衛生局のデータによると、昨年ロサンゼルス郡では3人が西ナイル・ウイルスで死亡し、合計70人の感染者が報告された。2022年には64人の感染者が報告され、死亡者はいなかったが、2021年には17人の感染者が報告され、1人が死亡した。
米疾病対策センターによると、9月24日現在、全米では748件の西ナイル・ウイルス感染者が確認されている。同センターは、場所や時間に伴い虫除けスプレーの使用や長袖シャツとズボンの着用を勧め、蚊が発生する可能性のあるバードバスなどの静水プールを取り除くなど、対策を講じるようアドバイスしている。