【ロサンゼルス19日】オピオイド過剰摂取の蔓延に一役買っていると非難された「フェンタニル・ロリポップ」やその他の痛み止め製剤について、製薬メーカー各社は今月末で販売を終了することを決定したと、FDAがこのほど発表した。
この薬は、医師らが「経粘膜即放性フェンタニル製剤(transmucosal immediate release fentanyl=TIRF)」と呼ぶもの。即効性のある強力な鎮痛剤を積極的に販売してきた製薬メーカーに対する数十年にわたる調査と訴訟の結果、このたび販売が終了となる。
FDAの発表によると、現時点でTIRF医薬品による治療を受けている患者は150人に満たない。現在これらの医薬品のいずれかを服用している患者は、供給可能な間は治療を続けることができる。
製薬会社「Cephalon」は、強力でないオピオイドに耐性を得た癌患者の治療薬として、「Actiq」のようなブランド名で販売されているこれらの薬を、甘く味付けされたスティック状の「lozenge(トローチ)」として、あるいは口の中で溶けるようにデザインされた錠剤「Fentora」として、FDAの承認を得ていた。
しかし、同社の営業担当者が、鎮痛剤のマーケティングを抑制するFDAの規則に背き、FDAの狭い承認範囲外で「適応外」の中毒性のある薬をより広く処方するよう医師に働きかけていたことが調査官によって判明した。
FDAは2020年、「オピオイド耐性がない患者」にこれらのTIRF医薬品がまだ処方されていることを示唆するデータを受けて、同製品の処方制限を強化する方向に動いた。