テキサス州 中絶禁止法施行後 新生児の死亡率が上昇(7/31)

【テキサス州31日】妊娠初期の中絶を禁止する州法を3年前より施行しているテキサス州において、施行後1年のあいだに乳児の死亡率が12.9%増加したという統計が明らかになった。

 2021年9月、テキサス州は「胎児心拍数確認後における人工妊娠中絶を禁止する法律(SB8)」を導入した。これはつまり胎児の心拍数が確認されてからの中絶は認めない、レイプや近親相姦による妊娠も例外としないというもので、中絶を事実上禁止したものだ。

ジョンス・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の研究者らが主導した最新の研究で明らかになったのは、法律施行の翌年の乳児死亡率の増加だ。

テキサス州と全米全土の月間死亡証明書データを分析したところ、2021年から2022年にかけてのテキサス州の乳児死亡者数は1985人から2240人へと増加。コロナウイルスのデルタ株がアメリカで蔓延していた時期でもあるが、前年比で225人(約13%)増加したことになる。さらに
、先天異常に起因する乳児死亡が異常に増加した年でもあったことも指摘。こちらの増加率は1年で22.9%にものぼったようだ。

 こうした数字を受け、研究者らは背景にある潜在的なメカニズムの解明を進めている。解明には乳児死亡の母親と臨床的特徴をリンクさせて分析していく必要があると考えているようだ。

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