DAIGOのムード歌謡は天才

 DAIGOと会った。年2回テレビ東京での特番『3秒聴け 誰でもわかる名曲ベスト100第17弾』7月15日(月曜日・祝)18時15分~21時51分放送。収録も終わってスタジオを出る時「新曲出たので聴いて下さい。」とCDを貰った。

 ジャケットを見てビックリ!DAIGOではなく「一之森大湖」となっている。しかも聞くところによると初のムード歌謡に挑戦したと。写真もデビュー当時の中条きよし『うそ』張りの、ソフトハットを斜めに被った気取ったポーズ。新曲タイトルはズバリ『一之森大湖です』に再びビックリ!しかも作詞作曲も手掛けている。ジャケットを見た後、DAIGOを見たらニヤッとしていた。この大イメージチェンジ、期するものがあったのだろう。

 帰り道DAIGOの事考えてみた。ビジュアル系バンドBREAKERZのボーカルとしてデビューするが、祖父が元総理大臣竹下登の話題が先行してしまった感。甘いルックスと人柄の良さでTVのバラエティ番組に引っ張りだこに。2016年には女優北川景子と結婚し二児の父となる。好感度も抜群。夫婦共々これからも芸能界で盤石な道のりを歩んでゆくのではと思っていたが、それに甘んじず、新たな挑戦の道を歩き出した。家に帰って早速聴いてみた。感想は「DAIGOは天才だった」これに尽きる。DAIGOが大好なB’zの幻想を捨て、彼にしか出来ない才能を開花させた。

 詩が笑わせてくれる。「北風に誘われて ひとり波止場街 どこへ消えたの貴方 波も頬濡らす あの子を見かけたら知らせてください 私の名前は 一之森大湖です 一之森大湖です」

 まさにムード歌謡そのものじゃないですか。こんなしたたかな詩が書けるなんて。カップリング曲の『戻っておくれ』の詩も面白い。「年の瀬 吐息白く 凍える家路 暖かい味噌汁と笑顔が待つ我が家へと ドアを開けると 誰もいないこの部屋 何も言わず 君はどこへ 戻っておくれ 戻っておくれ 娘もいない 息子もいない 戻っておくれ 戻っておくれ 昨日までいた君がいない」

 DAIGOにこんな才能があるなんて。これ程セルフプロデュースが出来るなんて!話題になる事間違いなし。今や大人気の「純烈」も真っ青な出来です。この驚き2004年に初めて聴いた松平健の『マツケンサンバ2』の衝撃に近い。今年のNHK『紅白歌合戦』の初出場も決まりではないか。世代を超えてカラオケでも支持されそう。作品が出来るまで紆余曲折あったはずだ。ためらわずみんなが歌える楽曲を作った。さすがDAIGO。北川景子が惚れる訳がわかりました。

 次は『浪花恋しぐれ』都はるみ・岡千秋のような夫婦歌謡を是非聞かせて欲しい!CD買いますよ。

 

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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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