【ロサンゼルス18日】手芸用品チェーンの「Joann」(オハイオ州ハドソン本社)が18日、経営難から破産申請を行なった。再建プロセスを進める間、800以上ある店舗の営業を継続する予定だと述べた。
「Joann」は、連邦破産法第11条の適用を申請し、10億ドルから100億ドルの負債を計上した。18日に提出された裁判書類によると、海外への商品出荷に伴うコスト増加と消費者需要の減退を経営難の要因とした。
「Joann」は今後、破産手続きの一環として、約1億3200万ドルの新規融資を受け、バランスシート(貸借対照表)の資金調達債務を約5億500万ドル削減できる見込みだという。同社のスコット・セセラ最高財務責任者(CFO)は声明の中で、今回の資金調達はJoann社が店舗運営を継続するための「重要な前進」であると述べた。
今回の「Joann」による破産申請は、「GNC」「J.C.ペニー」「パーティー・シティ」など、近年破産を申請した大手小売企業に続くもの。アメリカ人の消費が「Amazon.com」などのオンライン・ライバルにますますシフトしているため、実店舗の小売業者は苦戦している。
「Joann」の場合、パンデミックの初期には、巣ごもり生活で一部の消費者が手芸やその他のプロジェクトに取り組むようになったために活況を呈していた。しかし過去2年間「Joann」の売上は落ち込み、同社は、インフレなどの経済問題で消費者が節約していることが原因の一つとしている。また、中国が輸入品に関税をかけたことでコスト増に見舞われた。
「Joann」は2023年に22億ドルの利益を計上。同社によると、18日の時点で従業員数は約1万8,210人おり、約1万6,500人が店舗で、262人がハドソンにある同社の配送センターで働いている。