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2023年11月3日~6日、東京都が主催する「TOKYO FASHION CROSSING」が渋谷、丸の内、銀座を会場に開催された。これ程の規模のファッションイベントは今まで日本には無かったのではないか。大小100社以上のブランド、メーカーが一堂に会した。通常のファッションショーは来シーズンに向けての新作発表になるが、今回の特徴は「リアルに街で、今すぐ購入出来るファッション」の構成になっている。
この大イベントのアンバサダーとして、モデルの富永愛さんやゆりやんと一緒に、私も就任。イベントスケールが半端じゃない。東京を代表する3つの街のメインストリートを封鎖して行われたのだ。嬉しい事に私は渋谷、丸の内、東京国際フォーラムの3ヶ所に参加し、レッドカーペットを歩くという大役を務めた!街の特性を生かし、オフィス街丸の内では新たなビジネス服の提案。銀座ではインバウンドを意識した日本の伝統美満載ファッションが外国人観光客から喝采を受けていた。渋谷では若者たちに人気の最新のストリートファッションで大変な盛り上がりをみせた。
そして、何よりも私が感動したのは、多くの障害者の皆さんも最新の洋服でランウェイを歩いた事です。特に印象的だったのは、車椅子で登場した玉木陽葵(ひより)さん17歳。茶色のジャケットに三つ編みした髪を頭のてっぺんに立てるヘアスタイル、無茶苦茶カッコ良い!ちょうどランウェイの折り返し地点で正面からくる車椅子のひよりさんの姿を見て、その可愛さに声をあげてしまった。私だけではなく観客のどよめきも凄かった。私が今までお会いした車椅子の皆さんの中でも最も誇らしげに感じた一人だ。ランウェイがもっと長かったらもっと多くの観客に見てもらえるのにと会場にいた全員が思ったのでは。
ショーは続く。知的障害の青年がデザインしたカラフルで前衛的なレッドカーペット上を本人が気取って歩く。ダウン症の少女が晴れやかに緩歩するのだが少しおぼつかない。その緊張を周りのプロのモデルさんたちが励ます。なんて素敵なシーンなのか。次々と感動が押し寄せた後、ショーは無事終了。
今回のファッションショーは私の心に強く残るものになった。洋服がこんなに人々に元気を与えるとは!東京の街中はモノクロの服を着た人々が目につくが、ここは別世界。カラフル人間が闊歩している。日本のデザイナーたちの腕が落ちていないと再確認も出来た。メイクさん、照明、美術さんも舞台演出もみんないい仕事をしていた。
かつて高田賢三、ヨージヤマモト、イッセー三宅、山本寛斎などが世界のファッション業界に衝撃を与えた。再び世界を変える日本の若者がそこまで来ている。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。
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