日本人に聞くと「パンの袋を閉じるあのプラスチックのやつね」。
アメリカ人に聞くと半信半疑な感じで「well…bread clip??(ブレッドクリップかな?)」。
実の名前は、日本語で『バッグ・クロージャー』。英語で『bread-bag clip』や『bread clip』などいくつか呼び名がありますが、パンの袋閉じの代名詞にされるのは、日米共通。とてもインターナショナルなアイテムです。
■捨てないで再利用
中には、「パンのクリップ? 使いづらいから、袋を開けたらすぐ捨てるわね。袋の口をそのままクルっと結んじゃう」と言って、このクリップを邪魔扱いする人も多いのでは。確かに、中からパンが飛び出ないように曲がりにくく折れにくく丈夫なプラスチック素材のため、一回一回袋を口を止めるのには使いづらさもあるかもしれません。
しかし!ちょーーっと待った!このクリップ、ららら編集部のオフィスでは大活躍なんです。パソコンの電気コードや電話のコードなど、デスク下の配線整理に再利用。また、バッグの中でこれまた絡み合いがちなスマホの充電コードをまとめるのにも便利です。
■1952年からパンの袋を閉じ続けている
このブレッドクリップ、開発されたのは1952年。開発者のフロイド・パクストンさんはその年に移動中の飛行機の中で袋のピーナッツを途中まで食べたところ、残りを家に持って帰ろうとしたが、袋を閉じる方法がない。自分の持ち物の中で何か活用できるものがないか考えました。そこで見つけたのが、財布の中にあった期限切れのクレジットカード。ペンナイフでカードを削って作ったのが即席のバッグクリップでした。その後、彼はワシントン州にKwik LokCorporationを創業。このクリップは特許を取得し、現在もKwik LokCorporationで製造されています。(日本では、クイック・ロック・ジャパン株式会社で製造)パクストンさんの小さなピーナッツの袋から生まれたブレッドクリップ。今や袋閉じ業界を引っぱるグローバルリーダーになっているのです。
(9/26/2023)