NASA「Artemis II」にオンタリオ高校卒のグローバー飛行士 有色人種として初の月探査へ(4/4)

【ロサンゼルス3日】米航空宇宙局(NASA)は3日、来年後半に予定している月を周回して地球に戻る10日間の歴史的ミッション「Artemis II」の飛行士メンバーを発表し、その4人中1人に、サンバナディーノ郡オンタリオ高校出身のビクター・グローバー氏(46)が選ばれた。グローバー氏はアフリカ系で、有色人種として初めて月探査ミッションに参加する宇宙飛行士となる。

 その他メンバーは、NASAのリード・ワイズマン氏(47)、クリスティーナ・コッホ氏(44)、カナダ宇宙機関のジェレミー・ハンセン氏(47)で、白人男性2人、黒人男性1人、白人女性1人で構成される。コッホ氏は女性として初めて月探査ミッションに参加する。4人は月を一周し、音速の30倍の速さで往復60万マイルを移動する予定。

 グローバー氏はポモナ生まれで、1994年にオンタリオ高校を卒業。経歴によると、1999年にカリフォルニア工科大学サン・ルイス・オビスポ校で学士号を取得した。その後、海軍飛行士として国内外を転々とし、2015年に宇宙飛行士となった。家族は妻と4人の子供がいる。

 グローバー氏は、2020年11月に野口聡一氏らとともにSpaceXの「Crew Dragon」運用初号機でISSに乗り込んだメンバーの1人でもあり、この「Artemis II」ミッションが2度目の宇宙飛行となる。

 「Artemis II」では、米「Lockheed Martin」開発のカプセル型宇宙船「Orion」で月に向かう計画。NASAは、2025年の「Artemis III」ミッションで宇宙飛行士を月面に降り立たせる計画をしている。

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