【ロサンゼルス2日】米疾病対策センター(CDC)は2日、市販の目薬「EzriCare Artificial Tears」のリコールを発表した。薬剤に耐性をもつバクテリアが発生し、少なくとも1人の死亡と5人の視力低下に関連した可能性があり、すぐに使用を中止するよう勧告した。
CDCによると、この眼薬から、血液や肺などへの感染症を引き起こす緑膿菌が集団発生した可能性があり、現在調査を行っている。この菌種は、今回の集団発生以前に米国内で確認されたことはなく、カルバペネム系抗生物質と呼ばれる種類の抗生物質に耐性があるという。
2022年5月から今年1月にかけて、カリフォルニア州を含む12州の55人からこの菌が検出されており、感染により1人が死亡し、感染した11人中5人の視力が低下し、入院した人もいた。
「EzriCare Artificial Tears」を製造するインドの会社「Global Pharma」は、「慎重を期して点眼薬を回収している」と述べた。同社は現在、米国連邦当局の調査に全面的に協力しているが、現在までに同社の製造施設が汚染源であるかどうかは断定されていないという。
CDCによると、今回感染が報告された人のほとんどは感染前に10以上のブランドの人口涙液を使用していた。中には複数のブランドを使用していた患者もいたが、「EzriCare Artificial Tears」が最も一般的なブランドであることから 調査に着手。眼感染症の有無にかかわらず、患者から採取したEzriCare点眼薬の開封済みボトルから薬剤耐性菌の菌株を発見したと発表した。製造過程で汚染が起こったかどうかを確認するため、未開封のボトルを検査している。
CDCは、「EzriCare Artificial Tears」を使用したことがある人で、目の感染症の兆候がある人は、すぐに医療機関を受診するよう勧めている。感染症の症状は、目からの黄色、緑色または透明の分泌物が出る、目やまぶたの赤み、光に対する感度の上昇、目の痛みや不快感など。
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