パイプライン運営会社、漁師らへの5千万ドルの支払いに合意 ハンティントン・ビーチ沖原油流出事故(10/19)

【ロサンゼルス18日】ハンティントン・ビーチ沖で昨年10月に、パイプラインが損傷して約2万5,000ガロンの原油が海に流出した事故で、パイプラインを運営する「アンプリファイ・エナジー社」(本社テキサス州)がこのほど、南カリフォルニアの漁師、観光会社、不動産所有者に5,000万ドルを支払うことに合意した。

 サンタアナの連邦裁に17日に提出された和解案によると、「アンプリファイ・エナジー社」は、商業漁業者に3,400万ドル、沿岸の不動産所有者に900万ドル、サーフィンのレッスンやレジャー・クルーズを提供する企業、水着や釣り餌を販売する店など、水辺の観光事業者に700万ドルをそれぞれ支払うことになる。この提案の発効には今後、連邦裁判官の署名が必要となり、そのための公聴会が11月16日に開かれる予定。

 「アンプリファイ・エナジー社」を相手取り起こされた裁判では、原告団の数は1万人以上と推定される。

 和解案ではまた、「アンプリファイ・エナジー社」が連邦当局との司法取引で合意した漏出検知システムの導入と、従業員への漏出訓練の実施も要求。また、法廷書類によると、海上の原油プラットフォームでの従業員の増員も求めている。 

 原油流出は沖合約4マイル(6.4キロ)で発生し、原油の塊がサーフィンに適したハンティントンビーチやその他の沿岸地域に流れ着いた。被害は当初懸念されていたほど深刻ではなかったものの、この原油流出により、この地域の海岸は1週間閉鎖され、漁業は1カ月以上停止し、鳥類は油で汚れ、この地域の湿地帯は危機にさらされた。

 「アンプリファイ・エナジー社」は18日もコメントは出していないが、8月の合意時に発表した「合理的かつ公正な解決策」では、漏洩の数ヶ月前に錨を降ろしてパイプラインを破損させたとされる船舶に対して、引き続き損害賠償を求めるとしている。

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