パンデミックで最大打撃は公共交通労働者 高い集団感染率、死亡率は2倍(8/18)

【ロサンゼルス18日】コロナパンデミックで従業員が最も打撃を受けた職種が、公共交通機関だったという調査結果が18日、カリフォルニア州の保健当局により発表された。

 この調査は、カリフォルニア州公衆衛生局が主導し、米疾病対策センター(CDC)が発表した。

 調査の結果、公共交通機関と航空産業の従業員は、その他の一般的な労働者に比べて、職場で新型コロナの集団感染を起こす可能性がはるかに高いことが明らかになった。また、全産業の従業員と比較して、バスや鉄道サービスの従業員がコロナで死亡する確率は2倍だった

 このことから、ワクチン接種や職場での感染対策強化などで今後、公共交通機関従業員へのコロナ予防戦略を優先的に実施する必要があると、報告書は結論付けた。

 調査では、パンデミックの始まりから今年5月までの29カ月間に、カリフォルニア州の公共交通機関で確認された340件のコロナ集団感染を検証。科学者らは、これらの集団感染で5,641件のコロナ感染と537人の死亡を確認した。

 この期間中、カリフォルニア州の全職種を合わせると、職場1,000カ所あたり24.7件のコロナ感染が起きていたことが判明。この発生率は、航空産業では87.7件、さらにバスサービスおよび都市圏交通産業では129.1件と大幅に増加した。つまり、コロナ感染は、州内の産業全体と比較して、航空産業では3.5倍、バスサービスおよび都市圏交通産業の現場では5倍も発生しやすいということが調査結果からわかった。

 調査ではまた、コロナ感染による累積死亡率が、一部の公共交通機関産業で非常に高いことも判明。特に、鉄道とバスの運転手らをはじめ、それらをサポートするメンテナンス業者、空港ターミナルのサービス業者らがコロナで死亡する確率は、州全体の産業と比較して、2倍だった。

 カリフォルニア州内の全産業では、労働者10万人あたり114.4人のコロナによる死亡が確認された。一方、バス・都市交通業では10万人あたり211.5人、輸送支援サービス業では10万人あたり237.4人、鉄道業では10万人あたり241.8人が死亡していることが判明した。

 調査の結果から、公共交通機関でのマスク着用の重要性が再び確認されたともいえる。カリフォルニア州の大部分ではもう、公共交通機関でのマスク着用義務が解除されているが、ロサンゼルス郡では今もそれを継続中。ロサンゼルス国際空港やバーバンク空港などでも、屋内でのマスク着用を求めている。

 

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