【ワシントン22日】労働者支援団体のNational Employment Law Project (NELP)がUSA TODAYに独占提供したレポートによると、21の州と35の市と郡が元旦前後に最低賃金を引き上げることになっている。
イリノイ州では基本時給が11ドルから12ドルに、デラウェア州では9.25ドルから10.50ドルに、バージニア州では9.50ドルから11ドルに、ニュージャージー州ではほとんどの労働者が12ドルから13ドルに、ニューメキシコ州では10.50ドルから11.50ドルに引き上げられる予定である。
NELPによると、2022年には、25の州と56の自治体(過去最高の81自治体)が、賃金水準を引き上げるという。
カリフォルニア州の最低賃金は、1月1日に大企業で初めて15ドルに到達する。ニューヨーク州では、ニューヨーク市と州内のファーストフード店の労働者がすでに15ドルに達しているが、大晦日にはその基準をロングアイランドとウエストチェスター郡にも拡大する予定である。また、デンバーは14.77ドルから15.87ドルへ、カリフォルニア州のサンディエゴ、オークランド、ウェストハリウッドは15.87ドルへ引き上げられる。
また、カリフォルニア州のマウンテンビューとサニーベールが17.10ドルに達し、シアトルではほとんどの雇用主が17.27ドルに達するため、すでに15ドルとなっている27の市や町は数週間以内にさらに値上げすることになる。
カリフォルニアとニューヨークのほか、コネチカット、デラウェア、フロリダ、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ロードアイランド、バージニアの9州が、今後4年間で15ドル制に移行する予定となっている。シカゴ、ミネアポリス、ワシントンD.C.を含む50の自治体も15ドルへの道を歩むことになり、2026年までには、全米の労働人口の約40%が15ドルの最低賃金の対象となることが、NELPの数字で示されている。
これとは別に、NELPの調査によると、ベスト・バイ、コストコ、ウェイフェア、コンテナ・ストア、サウスウエスト航空など、少なくとも100社あまりの大企業がすでに15ドル以上に賃上げしている。
アトランタ連銀の賃金上昇率追跡システムによると、11月の賃金は全体で前年比3.7%増と2009年以来最も高く、下位4分の1の従業員の賃金は5.1%増と過去20年間で最大の伸びとなった。労働省によると、10月のレストランとバーの従業員の平均時給は12.1%上昇し、過去最高の17.66ドルとなった。
しかし、連邦最低賃金は2009年以来、時給7.25ドルにとどまっており、上院共和党は何度も引き上げの努力を阻んでいる。現在、全米の労働人口の60%以上を占める30州が連邦政府よりも高い賃金水準を設定しているが、南部と中西部を中心とする20州は連邦最低賃金に依存しており、これ以上の賃金水準を設定する可能性は低いとされている。
2022年以降、さらに4つの州と22の市と郡が最低賃金を引き上げる。コネチカットは7月1日に13ドルから14ドルへ、フロリダは9月30日に10ドルから11ドルへ上昇する予定だ。ロサンゼルス(現在$15/h)やアリゾナ州ツーソン(現在$12.15/h)など多くの都市では、生活費の上昇を補うため、基本給の引き上げを控えめにする予定だとしている。