
筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com
給湯器-タンクレス
前号でははヒートポンプ給湯器を取付けた際の州補助金や連邦政府による税額控除などホームオーナーが得られるベネフィットを説明しました。今週は、電化政策から少し離れて、タンクレス(ガス・瞬間式)についてお話します。
タンクレス式のメリット
日本国内では広く普及している瞬間式給湯器は、カリフォルニア州においても需要が年々増加しており、現在では家庭向け給湯器市場の約11%を占めています。主な理由としては以下の点が挙げられます:
・お湯切れがない
・お湯の温度が常に一定している
これらのメリットは、まだ主流である貯湯式では得られない利点です。また、タンクレス式はエネルギー効率が高く、通常の貯湯式(効率58〜63%)と比較しても圧倒的に優れています(効率82〜98%)。そのため、CO2排出量も少なく、環境面でも普及の後押しをしてきました。
ユティリティ会社による補助金
高効率なタンクレス式給湯器には、一部のユティリティ会社で補助金が払われており、特に南カリフォルニアの広範囲をカバーする全米一のガス供給会社SoCal Gas では、旧来の貯湯式や効率0.82未満の給湯器をタンクレス式に交換した際に、以下のような条件でリベートを提供しています。この補助金は申請後通常3~4週間以内にSoCal Gas会社よりチェックが送られてきます (申請手続きは弊社でもサポート可能です)。
また、同社ではSpecial Wildfire Rebuild Incentive というプログラムも被害者対象に設けており、対象者にはリベート額の50%が加算されます (例:$1,300 + $650 = $1,950)。

連邦政府による税額控除
タンクレス式給湯器にも、ヒートポンプ給湯器ほどではありませんが、税額控除が以下の通りに適用されます。
・最大30%の費用を税額控除として申請可能(工事費用も含む)
・1台あたり最大600ドルの控除
このプログラム (Section 25C)は現行の規定では、今年の12月31日まで有効です。
タンクレス式へ交換の注意点
現在、貯湯式給湯器を利用されている家庭では、タンクレスへ交換するメリットは多く、特に南加住民 (SoCal Gas利用者)には高額リベートの恩恵も大きいです。
最後に、タンクレス式に交換する際の注意点をひとつ挙げておきます。貯湯式ではタンク容量(ガロン数)で適切なサイズを選びますが、タンクレス式では「ガロン・パー・ミニット(GPM)」(給湯器が1分間に提供できる湯量)を基準に選定します。一般的な判断方法として、家庭内のバスルーム数に応じて適切なモデルのサイズを判断します(詳細については、弊社までご相談ください)。
次回は、冷暖房機についてお話しします。
(10/17/2025)









