ソーラー・システム(4)

 

筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com

ソーラー・システム(4)

カリフォルニア州では、ソーラーシステムやバッテリーバックアップを導入するための支援プログラムや補助金が多くあります。これらのプログラムは地域や電力会社によって条件が異なるので、最新情報を確認することが大切です。以下は代表的なプログラムです。

1.SGIP
(自己発電インセンティブプログラム)
SGIPは、カリフォルニア公共事業委員会が運営している補助金プログラムで、主にバッテリーシステム(蓄電池)の導入をサポートします。これは、自宅で発電した電力を蓄えるためのシステムを導入する際の費用を軽減する目的があります。
■インセンティブ金額:
・バッテリー容量によって異なりますが、通常は$750〜$1,000/kWh(1kWhあたりの金額)が支給されます。
・例えば、10kWhのバッテリーなら最大で$10,000の補助金がもらえます。
■申請条件:
・カリフォルニア州に住民が対象。
•ソーラーシステムとバッテリーをセットで導入するか、バッテリー単体でも申請可能。
■注意点:
•対象となるバッテリーモデル(例えば、テスラ・パワーウォールやSonnenなど)があります。詳しくは、プログラムの要件に合った製品を選ぶ必要があります(弊社でもお手伝いしています)。

2.DAC-SASHプログラム
(中低所得者向け補助金制度)
このプログラムは、中低所得の家庭や州が定めた特定地域に住む人々を支援するための補助金です。
■インセンティブ金額:
•太陽光システムに対して、最大で$3/ワットの補助金が提供されます。
•例えば、6kWのシステムを導入する場合、最大$18,000の補助金がもらえます。
■申請条件:
•所得証明が必要で、定められた所得層に該当することが条件です。
•停電リスクが高い地域(電力供給が不安定な地域)が優先されます。
■対象:
•太陽光システムとともに、バックアップバッテリーも対象になります。

3. ネットメータリング(NEM 3.0)
自宅で発電した余剰電力を電力会社に売ることで、クレジットをもらう仕組みです。2023年4月から新しいNEM 3.0が施行され、以前よりもクレジットの金額は低くなりましたが、SCE(南カリフォルニア)やPG&E(北カリフォルニア)など一部のユティリティー会社では、固定の付加額を設定していてクレジットの減額を補っています。
まとめ
これらのインセンティブプログラムと連邦政府の税額控除は併せて利用できるので、ソーラーシステムやバックアップバッテリーの導入コストが大幅に削減できます。同時に月々の電力コストの削減と電力供給確保に役立ちます。

次回は、カリフォルニア州が進める電化政策について、私たちの生活にどのような影響があるかをお話しします。

(12/3/2025)

 

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