
筆者/ヒロ山田
クリーンエネルギーと省エネ製品の専門家。環境に配慮した製品による光熱費削減を顧客に提案。米国大手アプライアンスメーカーおよび代理店で給湯器、冷暖房機、ソーラーシステムなど高効率製品の市場開拓を担当。現在は独立し、製品の取付け・交換のメリット説明から各種リベート申請サポートまで一貫して提供している。
73sense(73センス)社、代表。 連絡先: 800-730-4655 / info@73sense.com
ヒートポンプ冷暖房機の選び方
ヒートポンプは、冷暖房を1台で賄えます。従来のエアコンやガス暖房とは異なり、熱を「作る」のではなく、空気中の熱を「移動」させる仕組みで、エネルギー効率が非常に高いのが特徴です。また、ガスを使わないので一酸化炭素の危険もなく、ガス暖房や電気エアコンに比べてメンテナンスも少なくて済み、安心して使えます。
ヒートポンプの種類と特徴
カリフォルニアは気温が夏も冬も比較的穏やかなため「空気源ヒートポンプ(Air-Source Heat Pump)」が特に効果的です。このタイプは、外気と室内の空気を交換して温度調整を行いますが、以下の2種類に分かれます:
・ダクト型:既存のダクトを利用して家全体の温度調整をします。部屋ごとの温度調整はできません。
・ダクトレス型(ミニスプリットシステム):室外機と室内機を接続して、部屋ごとの温度調整が可能です。既存のダクトがない家や、部屋ごとに温度を調整したい場合に便利ですが、取付費はダクト型よりも高くなります。
導入時のポイント
ヒートポンプに取り換える際は、設置業者と事前にしっかりと打ち合わせをすることが重要です。自宅のレイアウトや使用目的に合わせて、最適なタイプやサイズを選ぶためのアドバイスを受けましょう。同時に、ホームオーナーが受けられる補助金の内容や申請方法をよく理解している業者を選びましょう。
・適切なタイプとサイズを選ぶ:部屋の大きさや住宅の断熱性、使用状況を考慮してサイズを選びましょう。容量が大きすぎるとエネルギーが無駄に使われ、小さすぎると効率よく温度調整できません。
・設計負荷計算:専門業者にお願いして、冷暖房負荷に基づいて最適なサイズを計算してもらいましょう。
・エネルギー効率:ヒートポンプの効率を示す指標には、「COP(暖房効率)」と「SEER(冷房効率)」があります。これらの数値が高いほど、エネルギー効率が良いことを意味します。高効率の製品を選べば、エネルギー消費が少なくなり、運転コストを抑えられます。
取付時の注意点
ヒートポンプが効率よく作動するためには、設置場所が非常に重要です。
室外機
・十分なスペースを確保:室外機の周りに障害物がないようにし、空気の流れを良くしましょう。
・設置場所の基盤:地面が安定しているか、屋根や壁が耐えられる強度を持っているか確認してください。
・配管と配線の設置:配管や配線が適切に設置されていないと、エネルギー効率が低下します。
・電力供給:専用のアウトレットを使用するのが望ましいです。
室内機
・空気の流れを考慮して、直射日光を避け、風通しの良い場所に設置しましょう。
まとめ
カリフォルニアの温暖な気候では、ヒートポンプの導入は非常に効率的です。初期費用が高いですが補助金もあり、長期的に見れば省エネで運転コストを大幅に削減できるため、非常に魅力的な選択肢です。
次号からはソーラー・システムについて解説します。
(11/5/2025)








