かっぱえびせんに海老は入っているのか

 もう何年カルビーの“かっぱえびせん”を食べているのだろう。発売開始が1964年なので60年近く食べている。まさに「やめられない、止まらない」のだ。別にいつも食べたい訳ではないがテーブルの上にあるとつい食べてしまう。浜松名産の“うなぎパイ”もこのパターン。1961年発売なのでこれまた長い付き合いをしている。

 ここでひとつの疑問が浮かぶ。かっぱえびせんに海老は入っているのか。うなぎパイに鰻が入っているのか。ふたつのスナック菓子はどちらも手軽な値段でとても高価な海老や鰻が入っているとは思えないが、袋の裏に書いてある説明を読むと、どうやら天然海老、鰻のエキスが入っているらしい。果たしてどの位入っているのか…考えるは止める事にした。美味しいからそれで良い。

 そこで他にどんな風味のスナックがあるか調べてみた。大ヒット商品“カニカマ”こと“カニ風味かまぼこ”は皆さんもご存知だと思う。凄いのはポテトチップスシリーズで“ジューシー餃子のようなポテトチップス” “ウニまみれポテトチップス” “イカの塩辛ポテトチップス”など凄い事になっている。これらは絶対エキスは入っていないはず。極めつけは、ポテトチップスを食べるとコーラーが飲みたくなる。そこで出来たのがカルビーの“ポテトチップスコーラ”、お見事。

 なんちゃて商品は食品以外でも。家庭に居ながら温泉気分になれる入浴剤などは最たるもので、私はバスクリンの“日本の名湯シリーズ”が気に入っている。草津温泉、箱根温泉、道後温泉、登別温泉。那須温泉、紀州龍神温泉、乳頭温泉などを楽しませてもらっている。道後も登別も実際に入ったことがないので、入浴剤の香りがすべてとなっている。なんちゃて商品、恐るべし。

 考えてみれば人工芝もなんちゃて商品だ。1960年アメリカの世界初屋根付き野球場アストロドームが完成された時に人工芝が誕生した。今では人工芝の進化で都心の屋上には人工芝エリアが多く設置されている。そう言えば、よく行く銀座のイタリアンレストランのレンガの壁も紙で出来ていた。凸凹があり私は何十年も本物のレンガ壁だと信じていた。

 将来こんな事も予想される。お米高騰の折、人口米の登場も近い。普段手にできない松茸も当然松茸風に、松坂牛も初鰹も高値安定のウニやいくらも、なんちゃって食品が続々登場してくる。更に地球温暖化が進むと日本も東南アジア化して雪が降らなくなってくる。そうなると空から海老風味の雪を降らす事も予想される。

 甘党の私としてはチョコレート味の雪を降らせてもらいたいが。そんな時代が間もなくやって来る。

 

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■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。

 

 

 

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