瀬戸内国際芸術祭&直島新美術館

国内外から約100万人が訪れる第6回目の開催となる瀬戸内国際芸術祭2025夏会期(8/1〜8/31)が開幕し、瀬戸内地域では再び賑わいを見せている。今回から夏会期のみ開催される志度・津田エリアや引田エリアが新たな開催地として加わり、ロシアのレオニート・チシコフ氏などの新作品が展開されている。
津田エリアを代表するのは、ブラウンさんとギャレットさんの「時間との対話」。約3000本の津田の松原に、10,000個以上集めたリサイクル用のメガネレンズ(プラスチック製)を繋げてカーテン状に吊るした。作品を通じて、松の魂と何世紀もの時間の中でこの場所を通り過ぎた人々を表現する。「レンズを通して見える光景は時間ごとに変化するので、その変化も楽しんで欲しい」とブラウンさん。
引田エリアでは、この地に手袋産業をもたらした「東かがわ手袋ギャラリー」を会場に、地域の人たちが古着を持ち寄り、布地をリボンにして編み、宇宙船を見立てた作品を展示。「みんなの手がひとつの大きな手を作る」という意味が込められ、より良い社会への希望を象徴する。作品に呼応して作られた絵本「てぶくろくんのおはなし」には、「たくさんの思いが編み込まれた手袋は、世界をこえて宇宙にも届く」というメッセージが込められている。
今年5/31に開館したばかりの直島新美術館も、瀬戸内国際芸術祭では初のお披露目となった。
開館記念展示では、「原点から未来へ」をテーマに、村上隆やヘリ・ドノなど12組のアジアのアーティストによる作品が集結した。
緩やかな展示替えや、直島住民の居住する地域に隣接させたことで、住民との交流も考えられており、動きのある美術館を目指す。
ニューヨークタイムズ紙など海外メディアでもすでに取り上げられており、世界中からの注目を集めている。
瀬戸内国際芸術祭、直島新美術館共に、今後の展開から目が離せない。
●瀬戸内国際芸術祭
●直島新美術館
 
「困難などにぶつかっても、また立ち向かい希望を見出して欲しい」というメッセージが込められた中国の蔡国強の作品「ヘッド・オン」 
蔡國強《ヘッド・オン》2006 写真:顧剣亨
作品名:「時間との対話」
作家名: ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット
「砂地に生える松を初めて見た。松は今の10倍はあったといわれており、地元の人の話も興味深い」
作品名:「みんなの手 月まで届く手袋を編もう」
作家名: レオニート・チシコフ

作品名: 「てぶくろの童話」
作家名: マリーナ・モスクヴィナ

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