2025年7月からFMヨコハマで新番組始めます。タイトルは「心配喫茶カノン」、放送時間は毎週日曜の18:00〜18:15。今時珍しいラジオドラマ形式。私は、横浜大さん橋近くの海岸通りにある「心配喫茶カノン」のマスター役で出演します。従業員もお客さんも皆心配性、毎回それぞれの心配事を持ち寄ってドラマは進行してゆく。
第一話の心配事は、お節介にも渥美清主演、映画『男はつらいよ』のストーリーから考えてみた。寅さんの実家「とらや」の裏にある工場のタコ社長が亡くなったら工場はどうなるのだろう。これからの時代、町の印刷工業は経営が大変そうな上に、タコ社長の子供達は独立していき、工場を継ぐ気持ちはない。寅さんの妹さくらの旦那ひろしさんはタコ社長の工場で働いているけれど、人柄が良すぎて社長の器でもない。そうなると柴又駅から10分位の所に建つ約100坪の印刷会社は、駐車場にするか、はたまたアパート経営をする選択肢もある。
映画『男はつらいよ』の心配事はこれだけでは済まない。主役の寅さんは好き勝手な人生を送っていた。全国各地で借金をしていた可能性も考えられる。そうなると妹のさくらに返済義務が発生するのではないか。これまた心配になってくる。逆に意外と寅さんはしっかり者で、そこそこ貯金があった場合、さくらがすんなり貯金を引き出す事って出来るのか。そうなんです、映画を笑いながら見ていても、こんなに心配事が浮かんでくる。
ラジオ番組もフリートークが全盛時代。ドラマの企画書をスポンサーに提出した際、最初は戸惑っていたが、得意な私の口八丁手八丁で何とか通してもらう事が出来た。普段はバラエティ番組がメインの制作スタッフも、初の連続ドラマにまごつく事もあるが、スポンサー、広告代理店の手前、根拠の無い強気と陽気さだけで押し切り会議を進行している。同時にYouTubeでも配信する事になるので「心配喫茶カノン」のモデルとなった、私が10年以上前から行きつけにしている、大桟橋海岸通りにあるカフェ「カンファーツリー」に行き、動画収録をしたところ、出演者、スタッフとも最高に盛り上がった!台本だけでは分からなかった「カノン」のイメージに統一感が出た。

映画『男はつらいよ』の「とらや」を求めてファンが帝釈天に行くように、モデルとなった「カンファーツリー」にラジオのリスナーが訪ねてくれたら嬉しい。お勧めは横浜一美味しいコーヒーとアップルパイ。お腹のすいた人にはナンカレー。どうです?「心配喫茶カノン」のモデルとなったお店を訪ねてみませんか。心配事大歓迎ですよ。
■テリー伊藤
演出家。1949年、東京都出身。数々のヒット番組やCMなどを手掛け、現在はテレビやラジオの出演、執筆業などマルチに活躍中。


何だかワクワク感がありますねー!
面白い企画だなぁ。