繁殖期のアシカに近づかないで La Jolla Coveで2頭が縄張り争い(7/27)

【サンディエゴ27日】海水浴客らで賑わうサンディエゴの「La Jolla Cove」で今週、2頭の雄のアシカが互いに突進し、海水浴客の間を走り抜ける様子がビデオに記録された。

 動物専門家によれば、カリフォルニアのアシカのほとんどは海岸沖のチャンネル諸島で生まれるが、「La Jolla Cove」はここ10年でアシカが出産し休息する主要な場所となっている。通常6月から8月までが繁殖期で、その間は特に距離を置くよう専門家は注意を呼びかけている。

 インスタグラムに投稿された動画では、アシカがビーチにいる人々に向かって吠える声が聞こえ、海から岸に向かい突進してくる別のアシカに海水浴客らが逃げる様子などが映っている。

 カリフォルニア沿岸ではここ数週間、アシカが人を噛むなどの事故が報告されているが、専門家によると、この行動は有毒藻類の大発生によりアシカが体調を崩したため。高濃度のドモイ酸(海藻シュードニツキアによって生成される神経毒)に汚染された藻類を摂取した魚を食べたアシカやイルカが発病している、と専門家は指摘する。

 一方で、ラグナビーチにある太平洋海洋哺乳類センターのアリッサ・デミング博士は、「La Jolla Cove」のオスのアシカはこの有毒藻類の影響は受けていないと推測。オスのアシカは通常、繁殖期にはそれほど魚を食べず、縄張り争いや交尾のためにほとんどの時間を費やすといい、動画のアシカも、繁殖期(通常6月から8月まで)のピーク時にメスを引き寄せるために、権力争いをしていたようだと話した。

 アメリカ海洋大気庁によると、アシカのオスは繁殖期になると「攻撃的に」縄張りを守る傾向があるという。また、オスは他のオスとコミュニケーションをとるために「犬のように吠える」が、通常人間に対して「臆病」で、「人を見たり匂いを嗅いだりすると水の中に逃げ込む」という。 

 アシカは海洋哺乳類保護法により保護されており、狩猟、嫌がらせ、捕獲、殺傷は禁止されている。

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