【ロサンゼルス14日】映画『スタンド・バイ・ミー』の監督、ロブ・ライナーさん(78)と妻のミシェル・シンガー・ライナーさん(68)が14日午後、ブレントウッドの自宅で死亡しているのが発見された。警察は殺人事件とみて捜査しており、家族のメンバーから事情聴取をしている。夫妻の間には3人の子どもがいる。
ライナーさんはハリウッドで50年にわたるキャリアを築いてきた。俳優としてのキャリア初期には、1971年から1979年まで放送されたシチュエーションコメディ『オール・イン・ザ・ファミリー』で、キャロル・オコナー演じるアーチー・バンカーの息子マイケル・“ミートヘッド”・スティヴィック役を演じた。
監督としては、『恋人たちの予感』『プリンセス・ブライド・ストーリー』『スパイナル・タップ』など数々のヒット作を手がけた。1986年にスティーヴン・キングの中編小説『スタンド・バイ・ミー』を映画化したことで劇的な転機を迎えた。
1993年にはジャック・ニコルソンとトム・クルーズ主演の『ア・フュー・グッドメン』でアカデミー賞にノミネートされたが、クリント・イーストウッドの西部劇『アンフォーギブン』に敗れた。
ライナーさんはまた、ハリウッドにおける主要な政治的発言者でもあった。同性婚を禁止した「法案8」の廃止運動を主導した団体「アメリカ平等権利財団」の共同創設者だった。また長年、児童問題にも積極的に関わり、カリフォルニア州の「児童・家族イニシアチブ」である「法案10」の可決運動を率いた。
「法案10」は画期的な政策と評価され、ライナーさんはこの取り組みにスティーヴン・スピルバーグ、ロビン・ウィリアムズ、そして自身の父であるコメディ界のレジェンド、カール・ライナーなどからの協力を得た。
ミシェル・シンガー・ライナーさんは過去10年間にわたり映画製作を手掛け、『ショック・アンド・オー』『アルバート・ブルックス:ディフェンディング・マイ・ライフ』『スピナル・タップII:ザ・エンド・コンティニューズ』など、いずれも夫が監督した作品をプロデュースした。また、米国のキリスト教ナショナリズムを題材にした『ゴッド&カントリー』も製作している。