【ロサンゼルス2日】ロサンゼルス郡参事会は2日、郡内の非法人地域で、ICEなどの移民取締官を含む法執行官がマスクを着用することを禁止する条例案を可決した。
同条例では、全ての法執行官が身分証明を携帯し、所属機関を明確に示すことも義務付けられる。
この禁止措置は、地域全体で身元不明の捜査官による移民取締り活動が行われていることへの住民の懸念に応えるもの。今夏にICEによる移民摘発が始まって以来、ネックウォーマーやスキーマスクで顔を隠し、武装した連邦捜査官が、無記名のバンに乗り、街角や洗車場、ホームデポの駐車場で人々を拘束している。捜査官はしばしば、連邦移民取締機関の職員であることを名乗ることを拒否している。
法律専門家によると、連邦移民当局は郡のマスク着用禁止令に従う義務はないという。郡の最高弁護士であるドーウィン・ハリソン氏は、連邦政府が「郡の条例は憲法に違反する」と主張する可能性が高いと述べている。憲法は、抵触する地方条例よりも連邦法が優先すると定めている。
同条例を主導したジャニス・ハーン郡参事官は「これが連邦政府との法廷闘争につながっても、戦う価値はあると思う」と語った。
国土安全保障省のトリシア・マクラフリン次官補は、移民当局者は身元が公表されたり、インターネット上で顔写真などがさらされる「ドックス」の被害を避けるため、変装する必要があると述べている。
同条例は4対0で可決され、キャサリン・バーガー参事官は棄権した。郡の方針に従い、禁止令は再度承認が必要で、投票は来週予定されている。承認されれば禁止令は2026年1月に発効する見込みだ。